第515問(2015年9月6日 阿部光瑠五段-深浦九段戦) |
(問515-1) 先手阿部五段、後手深浦九段で戦型は角換わり腰掛け銀。後手が工夫を凝らし、6筋の歩を切った後、角を自陣に据えて攻撃態勢を取った。これに強い受け方で応戦し、結果、桂得した先手がやや指せる流れに。 下図はその終盤。後手からの厳しい攻めを一旦受け切った先手が、今度は手筋連発で後手玉に襲いかかっている。今、▲3六桂と打った所で、銀を逃げても▲2四歩がある。ここで指された後手深浦九段の指した一手は? (答えはこの下に) |
(難易度・・・ |
(問515-2) ▲2四歩に△同歩と利かせはしたが、▲同桂と取っても△2六歩と押さえられてしまう。もっとも、後手からの攻めはいろいろ見えても、特に厳しい手があるという訳でもなく、この手を受けなければならないという局面でもない。やや漠然とはしているが、攻め駒もないことから、ここはこう指したいという一手がある。先手阿部五段の指した一手は? |
(難易度・・・ |
(これより下に解答)
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(問515-1解答)「金は引く手に好手あり」 ここで△3一金と引いて角に当てたのが実戦。部分的に金に掛けられた角や銀に当て返す為、金を逃げることはあるが、この局面は▲2三の地点が薄くなるだけにかなり考えづらい一着だった。しかし、指されてみれば、▲2四桂に対する当たりを未然に避け、「なるほど」と思わせる一手。▲2三角成からの強襲が大丈夫なら、確かに攻めを緩和させる一着で効果があったと言えよう。 本譜は▲6三角成に△5九角と反撃し、難しい終盤戦が続いた。 |
(問515-2解答)「金は引く手に好手あり part2」 ここで▲5八金引と引くのは第一感で、本譜もそう指された。後手からは、△2六銀▲同飛△3七角成の他、△6六銀、△4八角成、△8八歩等々いろいろな手段は考えられるが、▲5八金引はそうした攻めを催促した意味もあり、攻められて駒が入れば、その駒を使って後手玉を寄せようと言うもの。 本譜は、△6八角成▲同金に△2六金と今度は後手が「やってこい」と打って手を渡した。対して▲2三歩に△1三玉とかわした手が疑問?(感想戦で深浦九段が後悔していた手)で、飛車を切り、後手玉の上部を押さえる手が入ると、以下はどうしても一手差が埋まらず、先手阿部五段の勝利となった。 なおこの最終局面は、後手玉に必死がかかっていたが、そこからいろいろ修正して詰む形にしてみたので、「今日の実戦の詰み」もどうぞ。 |
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