将棋タウン(ホーム)へ/受けの手筋表紙へ

NHK杯に見る受けの手筋

(2016年2月22日出題)

第537問(2016年2月21日 久保九段-藤井九段戦)
(問537-1)
先手久保九段、後手藤井九段で戦型は先手の居飛車に、後手はゴキゲン中飛車を採用。そして、先手が超速の銀を見せると、後手も△5六歩と動き早い開戦となった。しかしその後、双方が自陣角を打ち合うと、逆にじっくりした駒組みに戻り持久戦調に。中盤、後手は馬を作り先手の動きを見たが、下図△4六歩と突いたのが敗着級(感想戦で)と悔やんだ一着。もっとも疑問手と言っても、それを咎めなければ好手になるのが将棋だ。ここで先手久保九段の指した一手は?△4六歩を悪手にさせる一着とは?

(答えはこの下に)
(難易度・・・


(問537-2)
先手から見て角銀交換の駒得だが、△5八にいると金の存在も大きく良い勝負のようにも見える。しかしここで先手の手番なのが大きい。やや漠然として難しい局面だが、終盤は常に攻防手を考えたい、ということであれば次の一手は何か?先手久保九段の指した攻防手は?

(難易度・・・


(これより下に解答)

(問537-1解答)「馬を封じる攻防の角」
何もしないで、次に△4八馬と入られ、△4七歩成が実現してしまっては先手敗勢だ。そこで△4八馬を防いだのが▲2六角。▲6六角とこちらに打つのも好着に見えるが、確かに△3二の金を相手にするより、▲5三〜6二〜7一への利きを見ていた方が攻めに厳しい。これがあるなら先に△4八馬と入っておかなければいけなかったと感想戦では話していた。

本譜は、△6三銀引に▲4八歩△5八馬▲5九銀と馬を捕獲。それでも△4七歩成からと金が残るので、まだ難しいかと思われたが・・・。そして第2問へ続く。

(問537-2解答)「攻防の角、第二弾」
ここで▲3六角と打ったのが、決め手とも言える攻防の角。後手としては、単純にと金を取られてはいけないので、本譜△5七銀とつないだが、▲6四歩△同銀を利かせ、▲5七金とこの銀を取り、▲6二銀と二枚角の筋を使って攻めたのが厳しかった。

本譜は、最後、どうやっても一手足りない(後手玉の詰めろが外れない)ようで、感想戦ではもう少し難しい後手玉の詰み形もあったようだが、結局逃れの筋はなく、先手の久保九段がきっちり寄せ切ることに成功した。

なお、最終盤、後手玉の詰みを載せようとしたが、追い詰めなのと余詰めが簡単に消えないので、後手玉の持ち駒を変え、先手玉への「今日の実戦の詰み」を二題作成、実戦に良く出るやさしい筋なので、そちらもどうぞ。
先週の問題へ/来週の問題へ

将棋タウン(ホーム)へ/受けの手筋表紙へ