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NHK杯に見る受けの手筋

(2017年4月3日出題)

第592問(2017年4月2日 佐々木大地四段-丸山九段戦)
(問592-1)
先手佐々木四段、後手丸山九段で戦形は角換わり。お互い早繰り銀の形から3筋(7筋)の歩を交換し、角と一歩を持つという珍しい形になった。
そして先手が玉頭の7筋から動き、戦いが始まった。先手は桂得を果たしたが歩切れ。後手は四歩を持って中盤から終盤へ突入。下図は△8七歩に▲6五角と打ったところ。△8七の歩を払う狙いもあるが、直接の狙いは▲4四桂だ。そこでどうするか?後手丸山九段の指した次の一手は?

(答えはこの下に)
(難易度・・・


(問592-2)
第一問の局面はまだ難しい勝負だったが、角金交換に踏み込み、さらに▲7二とと飛車取りに迫った手が単純ながら厳しく先手が指しやすくなっていった。その終盤、今△7六歩と銀頭に歩を打たれたところ。ここでどう指すか?先手佐々木四段の指した次の一手は?

(難易度・・・


(これより下に解答)

(問592-1解答)「取られそうな銀を逃げる」
▲6五角がいなければ▲4四桂と銀を取られても△同歩で銀桂交換だ。ところが▲6五角があると▲4四桂△同歩に▲3二角成と△3二の金まで取られてしまう。という訳で、極めて単純だが△4四の銀を△3三銀と逃げておくのが正解。ただ、▲4五桂が銀に当たってくるのでその攻め合いがどうなのかも読み進める必要はある。

本譜は▲7四歩に△6四歩と反発し、▲7三歩成△6五歩から一手争いの終盤戦へ突入した。

(問521-2解答)「手抜きという選択肢」
これが序盤や中盤ならほぼ▲6八銀と逃げる一手。しかし終盤になると違う。本譜のように手抜きで攻める手もあるし、もし銀が入ると後手玉が詰むとか非常に厳しい攻めがあるなら金損になっても▲7六同銀と取る手も考えられる。但し、△5一金などと当てられた手に逃げるしかないようだと△7七歩成から先手先手で攻められまずいので注意したい。

本譜、一度は△7七歩成も入ったが、▲同金寄と一手入れて、先手玉は容易に詰めろが続かず、逆に後手玉は受けが利かなくなり、この後10手くらいで後手の丸山九段が投了。初出場の佐々木四段が開幕戦を制した。

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