第606問(2017年7月9日 松尾八段-斎藤慎太郎七段戦) |
(問606-1) 先手松尾八段、後手斎藤七段で戦型は横歩取り△3三角戦法。、先手が▲3六飛と引かずに、▲3六歩から▲3七桂、さらに角を交換し、▲6六角と据えて攻撃を開始した。対して後手もしっかりと受け止め、第二の駒組みが始まったが、その途中、スキを見逃さなかった先手が再び攻撃を開始、その攻めが決まったかのように見えた。 しかし後手も際どく凌ぎ、下図はその終盤戦。今、▲2一馬と▲1一にいた馬を一つ寄ったところ。次に▲4三金と上からおしつぶすような攻めがある。ここで後手はどう受けるべきか。後手斎藤七段の指した次の一手は? (答えはこの下に) |
(難易度・・・ |
(問606-2) 上図からさらに進み最終盤。先手陣も右銀を取られ、金も上ずり薄くなっている。ここで後手の手番。明快に何かを受けなければならないという状況ではないが、やはり終盤は攻防手を指したい。ここで指された後手斎藤七段の指した次の一手は? |
(難易度・・・ |
(これより下に解答)
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(問606-1解答)「玉の早逃げ八手の得」 ▲4三金を防ぐだけなら他にも手はあるが、▲6三角などの王手も防げるのでここは△5二玉と上がるのが味良い一着。馬からも遠ざかり、まさに「玉の早逃げ八手の得」を地で行く一手だ。 本譜はここで▲1六角と攻防に打ち、先手の方が押し切りそうに見えた。しかし、△3七歩から後手も先手玉に肉薄。第2問へと続いていく。 |
(問606-2解答)「終盤は攻防手で」 ここで△2五桂と打ったのが、角道を止めつつ金取りに放った攻防手。受けては▲4三の金取りを見せ、攻めては▲3七の金取りになっている。ただ、▲4二金と金を取ってから、冷静に▲3八金と逃げられると、まだ長い戦いが繰り広げられそうだった。実はこの桂にはもう一つの鋭い狙いがある。 本譜はその狙いにまんまとハマッタ。▲4二金と金を取り△同飛となった瞬間。先手玉に△4八金からの詰めろがかかるというもの。この手を見落とし、▲6五桂打と攻めたため、△4八金と打たれ、あっという間に終局。後手斎藤七段の勝利となった。 |
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