第638問(2018年2月25日 菅井王位-郷田九段戦) |
(問638-1) 先手菅井王位、後手郷田九段で、出だしは中飛車対三間飛車。しかし、先手が居飛車のように左に玉を囲うと、後手も美濃ではなく△7三銀から中飛車に振り直し、こちらも左に玉を移すという力戦形となった。その後、中央で駒がぶつかり合う難しい中盤戦から、後手が幸便に桂を跳ねると、これが厳しくリードを奪った。下図はその数手後、終盤へ入ろうとしている局面で、今△5六歩と歩を垂らしたところ。この手は、飛車の横利きをさえぎりつつ、△3五銀からの攻めも見ている。ここで指された先手菅井王位の指した次の一手は? (答えはこの下に) |
(難易度・・・ |
(問638-2) 中盤からリードを奪った後手が、そのまま終盤へ入り有利を保っている。▲6一の地点で飛角が交換になり、▲6一とに△3一玉の早逃げ。それに対し、今▲3四桂と打ったところ。この桂は、△4二の金取りであると同時に△2二の地点も押さえている。ここで指された後手郷田九段の指した一手は?有段者ならひと目の筋がある。 |
(難易度・・・ |
(これより下に解答)
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(問638-1解答)「歩の垂らしには歩で受けるのが基本」 六枚落ちを指しているとほぼ必ず歩の垂らしが出てくる。これに対し、受けずに歩を成られるとまず下手は勝てない。平手の場合、必ずしも同じとは言えないが、歩を垂らされ次に成られたり、その地点に駒を打ち込まれたりする手が残る場合、やはり歩を受けておくのは基本の受けと言える。但し、部分的には利かされとなり、歩を受けさせられるのは辛いことが多い。したがって、特に有段者であれば、単に受けるだけでなく、この瞬間に反撃することも常に考えておきたい。 本譜は△3五銀から角銀交換になり、後手が駒得、有利差を保ったままの終盤戦が続いたが、先手も飛車をいじめつつ反撃し、後手玉に迫り、そして第2問へ続いていく。 |
(問638-2解答)「味良い攻防の角」 たとえば、先手の桂が金しか狙っていないのであれば金を逃げておく手も十分考えられる。しかしこの桂は▲2二の地点を押さえている意味も大きく、それ故金を逃げることに一手の価値がないとも言える。そこで先手も△4二へ利かしつつ△6八角成▲同玉△5七角の詰みを狙って△2四角と打ったのが実戦。この受けの手筋でも頻繁に取り上げる「攻防の角」だ。有段者ならひと目、こう打ちたいと思える味の良い一着。 本譜は詰めろを防ぐ為、この角を無理矢理飛車で取り再び飛角交換、そして後手玉に肉薄したが、最後は詰めろが続かなくなり、後手郷田九段の勝利となった。 |
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