第645問(2018年4月22日 三浦九段-大橋四段戦) |
(問645-1) 先手三浦九段、後手大橋四段で戦型は後手の四間飛車。後手が角道を止めた普通の四間に振ったため、先手は居飛車穴熊へ。対して後手は研究手順なのか、あまり見ない玉頭からの仕掛けを敢行した。ただ、先手が右銀も引きつけガッチリ受け止めると、攻め自体はあまりうまくいかなかったようだ。下図はその途中。9筋で交換した香を、陣形を乱した後△6四香と打ったところ。後手の△3三角が間接的に玉に直射しているので、少しでも受け方を間違えるとたちどころに崩壊する。ここで指された先手三浦九段の指した一手は何か? (答えはこの下に) |
(難易度・・・ |
(問645-2) 一旦は先手が受け止めたかに見えたが、後手も巧みに手をつなぎ形勢は混沌としてきた。下図は▲7六桂と反撃に出たところ。しかしここでの反撃はあまり良くなかったのかもしれない。この後、急激に形勢が後手に傾く。但し疑問手もとがめないと好手になるのが将棋だ。ここでは角銀取りにどのように対処すべきか?後手大橋四段の指した次の一手は何か? |
(難易度・・・ |
(これより下に解答)
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(問645-1解答)「出足を止める金底の歩」 ここで▲6七歩と打ったのが冷静な一着だった。私は見ている時は、▲8八金と角筋を止めながら金を上がるのかな、と思っていたのだが、この歩には「なるほど」と感心。藤井システムに良く出てくる▲5五桂はここでは危険な一着だ。ちなみに激指の形勢判断は、▲6七歩で400点くらい先手有利、▲8八金でも300点は有利だが、▲5五桂などそれ以外の手では互角か先手不利になっていた。 本譜は一旦受け止めたかに見えたが、後手もしぶとく先手玉にくいつき、そして第2問のあたりから形勢は逆転していった。 |
(問645-2解答)「終盤は大駒より駒の効率」 ここは△8五銀と桂を取りながら逃げるのが味良い一着。序盤や中盤では駒損しないように、特に飛車や角取りにされた時は、大駒を逃げるのが普通だ。そして角銀取りなら角の方を逃げることが多い。しかしこの場合は、逃げながら桂を取れることと出た銀がすぐに攻めに参加できることなどを考えると、△8五銀の一手と言える。 本譜、▲6四桂と取った後の、△8六桂を受けるのが受けづらかった。▲8六歩と呼び込んで受けたが、今度は先手玉の詰みに関係する銀になってしまい、最後は渡した香で先手玉は詰めろに、後手玉を王手で追いかけたが詰まず、後手大橋四段の勝利となった。 なお、最終盤、後手が香を入手した手が分かりやすい詰めろだったため、先手は王手をかけ続けたが、その時の詰みを問題にしてみたので、「今日の実戦の詰み」もどうぞ。 |
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