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NHK杯に見る受けの手筋

(2018年8月20日出題)

第662問(2018年8月19日 安用寺六段-広瀬八段戦)
(問662-1)
先手安用寺六段、後手広瀬八段で、戦型は先手のノーマル三間飛車。これに居飛車穴熊を目指した為、先手は「トマホーク」と呼ばれる▲4五銀〜▲1七桂という攻撃態勢をしいた。対して居飛車は△2四歩から△2三金と力強く受け、見応えのある玉頭戦が繰り広げられた。その後、戦場から遠ざかる△3一玉には狙いの△6六角があり、やや後手ペースに。下図はその数手後。今△8七歩と歩を合わせたところ。ここで先手はどうするか?何もせずに△8八歩成▲6八飛△7八とから飛車を成られてははっきりまずい。そこで先手の指した次の一手は?
(答えはこの下に)
(難易度・・・


(問662-2)
先手も後手の玉頭に嫌みを付け、猛追。今▲3三角と角を打ち込んだところ。後手から見ると、ここを凌いで、と金を動かし飛車成りを実現させたい。ここで指された後手の次の一手は?終盤ではちょっとした判断ミスでたちまち逆転するので注意深く読む必要がある。

(難易度・・・


(これより下に解答)

(問662-1解答)「未然に当たりをかわしておく」
ここは▲6八飛と回る一手。△8八歩成には▲6五飛と金に当てながら浮くのが味良い一着でここから先手が盛り返した。駒を未然にかわすという手筋は受けの基本。それは大駒に関わらず金や銀、あるいは玉の早逃げなども大きな意味でかわしの手筋になる。

本譜は後手も△2七歩成から△2六歩と小技を駆使して先手玉に迫った。しかし玉頭に嫌みを付けられ、受け間違えると逆転するかもというところまで進んで第2問となっている。

(問662-2解答)「正確に読み根元の駒を外す」
△3三同銀と取ってしまうのは最悪で、▲同桂成が▲3五飛や▲8五飛を見られて受けづらい。と言って、このまま▲2四角成と銀を取られてしまうのもまずい。そこで指された一手が△2五金という元の桂を取りながら銀にヒモを付ける手。▲同飛と切られても寄せられないことをきちんと読んでの一着だ。

本譜は▲1一角成と成るしかないのではやや玉から遠ざかった。後手は、△2七歩成から△3五桂を決めて、△9九とと飛車成りを実現。そして相手の手に乗って今度は右側から攻め、最後はきれいな即詰みに討ち取り、後手広瀬八段の勝利となった。

なお即詰みの局面をより難しく修正したので、「今日の実戦の詰み」もどうぞ。
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