第664問(2018年9月2日 糸谷八段-菅井王位戦) |
(問664-1) 先手糸谷八段、後手菅井王位で、戦型は後手の三間飛車。先手が最初角道を開けずに左美濃の駒組みをし、後手も石田流にはせず美濃囲いを急いだ為、結局角交換振り飛車(向かい飛車)に。戦いは、中盤、先手に桂頭を守る手を指させないうちにと後手が動き、早い段階で駒がぶつかった。下図は△3三桂と取られそうな桂を跳ねて次に△2五桂を見た手で振り飛車の調子が良さそうに見える。ここで先手はどうしたか?このまま桂を跳ねられてはまずいが受け方もちょっと悩ましい。ここで指された先手の次の一手は何か? (答えはこの下に) |
(難易度・・・ |
(問664-2) 中盤から終盤、後手が少しずつポイントを上げ、先手を引き離しにかかった。下図はその終盤で後手優勢。今、▲7五馬と馬を寄って桂取りを見せたところ。ここで後手はどのような手を指したか?優勢を維持する手は? |
(難易度・・・ |
(これより下に解答)
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(問664-1解答)「飛車のさばきを封じる銀」 歩がたくさんあれば▲3五歩から連打で止められるが、歩と香は一枚ずつしかない。そこで▲3六銀打と銀を打って△2五桂を受けたのが実戦。玉の側であれば、受けに金駒を使うのは当然。しかし、このように遠い場所に使う(使わされる)のは基本的には辛い受けだ。ただこれ以外にしっかりしたさばきを封じる受けがなかったようで、これにより微差で力のこもった中盤戦の戦いが続くことになった。 本譜は、△3五歩▲4七銀△2五桂▲2六銀△2四歩と進み、桂は跳ねられても飛車は簡単にはさばけず、まだまだ難しい中盤の折衝が繰り広げられた。 |
(問664-2解答)「駒を打つ場所とその種類の僅かな違い」 この局面は、△8五の桂を単純に取られてはダメなので、金か銀を△7四か△8四に打つ一手と言える(△2八龍の王手はどこでも利く)。ただ、どこに何の駒を打ったら良いかは難しくおそらくどこに受けても後手が優勢ではある。菅井王位は△7四金とこの位置に金を打ったのが実戦で、これは感覚的に△8四は玉が狭く▲8六歩〜▲8五歩になった時、当たるということ。△7四が銀だと、▲7五歩と突かれた時寄れないし、△6五に出た時も銀取りにならない、など様々な状況を考えての選択だろうと思われる。 本譜は▲8六馬に△2八龍から△2九龍と香を二枚拾ってその香を△7七香と打ち込むと以下は着実に寄せの網を絞り、後手菅井王位の完勝譜となった。 |
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