第667問(2018年9月23日 三枚堂六段-渡辺明棋王戦) |
(問667-1) 先手三枚堂六段、後手渡辺棋王で、戦型は相居飛車。最初は角換わりの出だしだったが、後手が角道を開けずに駒組みを進めた為、手将棋模様の将棋となった。仕掛けは後手が早い段階で7筋から。しかしその後は、じっくりした駒組みに戻り、難しい中盤から終盤戦へ突入。下図は、今▲3三歩と叩いたところ。このような局面は矢倉戦などで良く出てくるが、どのように応対すべきか?後手渡辺棋王の指した次の一手は何か? (答えはこの下に) |
(難易度・・・ |
(問667-2) 中終盤、力のこもった応酬が行われ、形勢は揺れ動いていたのかもしれない。ただ、△4三桂の自陣桂から△3五桂〜△4七桂成と活用した味が良く後手ペースかと思われた。しかしここで先手は踏みとどまり、差を付けさせないまま終盤戦へ。ここで指された先手三枚堂六段の次の一手は何か? |
(難易度・・・ |
(これより下に解答)
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(問667-1解答)「拠点を残さない」 金頭の叩きである▲3三歩に対し、金を逃げてすぐに元の桂を△2四歩で取れる場合は逃げる手もある。しかし、多くの場合、中盤以降に拠点を残しては不利になることが多い。またこの局面のように△2四歩と桂を取る手がないなら、なおさら逃げる手はない(大きな利かされになってしまう)。 本譜は桂交換から再度▲2五桂〜▲3三歩と拠点を作った。ただ後手も、△2一の桂を手持ちにしたことで、△3四銀から△4三桂と自陣に据え、5筋を制圧、さらに△3五桂から△4七桂成と成り込み攻勢、第2問に続いている。 |
(問667-2解答)「駒本来の価値より、その局面での価値を判断」 ここで▲5八銀と▲6七にいた銀を引いて成桂にぶつけたのが本譜。本来、銀と桂の交換は銀の方が得だ。しかしこの局面での△4七成桂は、先手玉の近くにいて価値の高い駒。対して先手の6〜7筋の金銀はコリ形になっている。そのため、この一枚の銀を急所の攻め駒にぶつけ、駒損でも玉を安定させようとしたのがこの一着でここからさらに形勢は混沌としていった。 本譜は銀を取らずに、△4六成桂と金との交換に出たが、▲同金△同角で角が自陣から動いた瞬間に、▲4二角成から▲3二歩成と強襲。攻めきれるか、後手が凌ぎ切れるかギリギリの終盤戦が続いた。その接戦の本局は、最後には先手が抜け出し、後手からの攻めを余し後手玉を即詰みに、先手三枚堂六段の勝利となった。 |
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