第668問(2018年9月30日 佐藤康光九段-行方八段戦) |
(問668-1) 先手佐藤九段、後手行方八段で、戦型は相居飛車。先手は矢倉模様の出だしだったが、後手が居玉のまま△7四歩から△7三銀と速攻を見せた為、手将棋模様の相居飛車戦となった。その後先手も2〜3筋にアヤを付け難しい中盤戦から終盤戦へ突入。その終盤の入口、感想戦で佐藤九段が悔やんでいた飛車の逃げ場所が悪く(▲1八飛)先手の攻めが細くなった。これに乗じて後手が反撃。下図は△6六桂打のつなぎ桂を打ったところ。△5七角があるだけに非常に厳しい一着となっている。ここで先手はどうしたか良いか?やや悪いながらも盤面全体を見てしっかり受けたい。先手佐藤九段の指した次の三手は? (答えはこの下に) |
(難易度・・・ |
(問668-2) 懸命の先手の凌ぎに対し、後手は駒得を重ね徐々に優勢に進めて行った。しかし下図、今▲2五桂と力をためつつ後手に手を渡したところ。ここで後手はどのようにして勝ちを決めるのが良いか?たとえば△7五歩のような手はひと目だが遅い感じもし、先手からの猛攻にきちんと対応する必要がありそうだ。ここで指された後手行方八段の指した次の一手は?明快に一手差勝ちを読み切る三手一組の手順は何か。 |
(難易度・・・ |
(これより下に解答)
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(問668-1解答)「飛車の位置をずらしてから受ける」 実戦は▲8三歩△同飛に▲8六歩。歩がたくさんあれば連打で止められるが、三歩しかなく足りない。と言って単に▲8六歩では飛車の横利きが遠く△2二まで利いている。このような場合は、一回叩いて、飛車の横利きを消してから受けるのが手筋。もちろん、その後の進行によっては直接関係ないこともあるが、手筋として知っておけば役に立つことが多い。 本譜はここから後手が猛攻した。巧みな手順で駒得しながら飛車を元の位置に戻し、優勢なまま第2問となっている。 |
(問668-2解答)「攻めに最も有効な駒を補給」 △4四銀と桂を取ったのが実戦だが、これは受けだけの手ではない。と言うより、受けの局面としては、▲4四に桂がいる局面でも銀がいる局面でもそれほど攻めの早さに違いはないと思われる。それよりはむしろ、桂を入手することに意味がある。と言うのも、先手の急所が△6六桂だからだ。 本譜はこの桂が猛烈に厳しかった。仕方ない▲同金に△5七角▲6八桂と進み、△7七歩と叩いたのがそつのない利かしで後手勝勢。この馬が自陣にも利いて後手行方八段の勝利となった。 |
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