第670問(2018年10月14日 丸山九段-斎藤慎太郎七段戦) |
(問670-1) 先手丸山九段、後手斎藤七段で、戦型は相居飛車。角換わりの出だしから後手が角道を止め、駒組みは雁木に。対して先手は▲5六銀と腰掛け、▲3六歩から▲3七桂〜▲4五歩と仕掛けて戦いが始まった。その後、角も交換され、後手はその角を△3七へ打ち込む。そして下図、△4六角成は許せないので、それを防ぐと同時に▲4四歩も見て今▲5五銀と打ったところ。ここで後手はどうしたら良いか?自然に見える手が実戦で、それで形勢不明の難解な勝負は続いたのだが、感想戦ではこう指すべきだったという手も。本譜と「なるほど」と思えるその指し手の両方を問う。 (答えはこの下に) |
(難易度・・・ |
(問670-2) 中盤から終盤戦、形勢は細かく揺れ動いたと思われる熱戦になった。下図は今、一本△5七歩の叩きを入れたところ。この手に先手の応手は?この金取りを放置は出来ないのでどこかに動かすしかないが、実戦でごくまれに出る「場合の手」とも言える次の一手は? |
(難易度・・・ |
(これより下に解答)
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(問670-1解答)「敵の打ちたいところへ打て」 ここで実戦は△4四歩と打ったがこれは極めて自然で、見ている時はこれが悪いとは思えなかった。しかし、△4五歩と取るのは▲4四歩がありすぐにタダで取れる訳ではない。そのため、おかしかったのではとの判断だ。感想戦で話していたのは△4四銀打。これなら次に△5五銀から△4六角成を見て、受けながら攻めも見ており確かに厳しい。 本譜は△4四歩でも後手がそれほど形勢を損じた訳ではなさそうで、ここから先手は猛攻をかけたが難解な終盤戦が繰り広げられた。そして形勢不明のまま第2問へ続いている。 |
(問670-2解答)「先手を取るための金」 金取りにされた場合、玉の方へ動かすのは将棋の基本。なのでこの場合は、▲6八金右が最も自然だが、△5七歩は大きな利かされなので、▲同金と払い、△4八角成▲5八金△3八馬などの手順も考えることになる。ところが実戦、丸山九段は▲4七金と角取りに上がった。これは強い手で、△3八銀も目に映るし、何より玉から離れるので相当に指しにくい。それでも先手を取ることがそれ以上に重要との判断で、こう上がって主導権を取りに行った。 本譜は△5五角成と角を切ってから△3八銀と打ったが、両取り逃げるべからずで、▲7三歩成と攻め合い白熱の終盤戦になった。そして最後、▲3三角と玉頭に打ち込む角で後手玉は必死。その角をもらっても先手玉は詰まず、先手丸山九段の勝利となった。 |
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