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NHK杯に見る受けの手筋

(2018年11月26日出題)

第676問(2018年11月25日 森内九段-谷川九段戦)
(問676-1)
先手森内九段、後手谷川九段で、戦型は相居飛車。矢倉模様の出だしだったが、後手が早い動きをした為、先手がこれをけん制する将棋となった。その動きを一旦は封じると、そこからはやや緩やかな流れになり再び駒組みへ。しかし、歩を手持ちにした先手が少し指しやすそうな局面に。下図は、5五で一歩を交換し、今▲4六銀と引いたところ。すぐに何かを受けなければならないという訳ではないが、何を指すべきかは難しい。ここで指された後手谷川九段の指した次の一手は何か?
(答えはこの下に)
(難易度・・・


(問676-2)
先手は後手の攻めを逆用して反撃に出た。6三にと金を作り、さらに▲2六桂から▲3四歩と桂頭を攻める。▲5四桂も強烈な攻めの筋で先手優勢。これに△7五桂と最後のお願いと駒を置いたところ。ここで先手はどうしたら良いか?一気に攻めても勝てそうだが、△8七金からの攻めも怖い。ここで指された先手森内九段の指した次の一手は?

(難易度・・・


(これより下に解答)

(問676-1解答)「戦いに入る前に玉周辺を固める」
ここでの次の一手は△4二金右。これはちょっと説明しづらい手だ。たとえば振り飛車で美濃囲いを完成させる△5二金左とか矢倉で玉の方へ金を寄せる▲6八金右や▲6七金右なら「仕掛ける前に固めて」と説明しやすい。これもある意味それと同じような意味はあるのだが、△5二の位置と4二の位置ではそれほどの違いはない。ただ、この局面では、3筋から攻められそうなのと、金が連結した形が固いということで、仕掛ける前に有効な手ということなのだろう。

本譜はこの数手後、△4四角から△8六歩と後手は攻めに入った。しかし間隙を縫って放たれた▲8四歩から、反撃の▲6四歩で先手有利に。そしてその差を徐々に広げて最終盤の第2問になっている。

(問676-2解答)「急所の駒を取り払う」
ここでは▲7五銀と桂を取り払うのが明快な勝ち方。攻め合っても先手優勢なのは間違いないだろうが、△8七金からの攻めを残して置くのと、銀桂交換でも▲7五銀△同歩の交換を入れておくのでは後者の方が断然先手に取って分かりやすい。こうした手は級位者の人にも指してもらいたい手だ。

本譜は△7五同歩に▲4二桂成から一気に攻め、最後は必死にまで持って行き、先手森内九段の勝利となった。
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