第678問(2018年12月9日 横山六段-郷田九段戦) |
(問678-1) 先手横山六段、後手郷田九段で、戦型は相掛かり戦。この将棋は序盤の駒組みからいきなり終盤になる。後手の郷田九段が、軽い動きで飛車を歩の下に潜り込ませると、これを先手がいかに受けるかと言う将棋に進み、結局飛角総交換、一気に終盤戦へと突入した。下図は後手が角を切り、飛車を下ろしたところ。形勢はまだ難しい。しかし感想戦では、先手の次の一手がまずく後手の方が指しやすくなったとの結論だった。ここで指された先手横山六段の次の一手は?そして感想戦で話された正着の一手は? (答えはこの下に) |
(難易度・・・ |
(問678-2) 攻め込んだ時、後手は駒損だったが、この局面は逆に駒得になっている。今、▲4六桂と控えの桂を打ち、次に▲3四桂を見たところ。ここではどのように受けるのが良いか?手筋としてまれに実戦にも現れるが、こう指せれば高段者と言った感じのセンスの良い受け方と言える。後手郷田九段の指した次の一手は? |
(難易度・・・ |
(これより下に解答)
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(問678-1解答)「終盤では丁寧に読み、駒を投入」 ▲4九の銀取りなので、▲5八銀とかわすのは自然だ。しかし▲5八銀の手自体は薄く、△8八歩が利き、桂を取られると△7六桂を狙われてしまう。そこで本来は受けに適した駒とは言えないのだが、角で銀にヒモを付けるのが読みの入った一手。本譜は▲5八角と打ち、これが△7六桂も防ぎ、良い手に見えた。 ところが、これが疑問だというから終盤では細かいところまで丁寧に読まなければならない。感想戦で話された正解は▲6七角。本譜、△3七飛成〜△3九龍〜△3七桂という攻めに角が▲6七にいれば銀をかわせるという訳。ただ、▲6七角は香を拾われ△6四香が見えるだけにこれも打ちづらいのだが、それは▲7七玉で耐えられるという読みだ。 本譜は、後手が角を切って駒損したが(上図はまだ角金交換)、この後、攻めているうちに逆に駒得になり有利に。そして第2問へつながっていく。 |
(問678-2解答)「両取りを避ける玉のかわし」 この局面、▲3四桂を受けるだけならいろいろ見える。△3三銀は自然だし、△3五龍でも受かっているように見えるが、▲2二歩がいつでも利き、先手に香を持たれている為、▲3八香のような手もあり、受けた手がかえって攻めに勢いを付けさせることもある。 実戦、△5二玉がこういう場合の一つの手筋。このような筋は、対振り飛車戦でも控えの桂を打たれた時にまれに見ることがあり、右辺に味方の金銀があるような時は、早逃げの効果もありセンスの良い受け方となっている。 本譜は、先手も駒を渡さないように懸命に粘ったが、後手は徐々に優位を拡大すると、最後は華麗な踏み込みで一気に勝負を付け、後手郷田九段の勝利となった。 |
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