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NHK杯に見る受けの手筋

(2018年12月17日出題)

第679問(2018年12月16日 羽生竜王-菅井七段戦)
(問679-1)
先手羽生竜王、後手菅井七段で、戦型は角換わり腰掛け銀。ただ出だしは▲2六歩〜▲2五歩と相手の様子を見ながらの序盤戦だった。結局は最近流行の相腰掛け銀になり、仕掛けからは激しい戦い、複雑で難解な終盤戦に突入。下図は、▲2四歩から継ぎ歩に垂らし歩と攻めの手筋を放ったところ。▲2五飛と出られても△2二歩ですぐに潰れる訳ではないが、ここは何をどのように指したら良いか難しい。ここで指された後手菅井七段の次の一手は?
(答えはこの下に)
(難易度・・・


(問679-2)
▲9一馬を活用するための華麗な一着が出て先手が有利になった。下図は▲1一馬と飛び込んだ手に、△3三桂と馬の利きを止め、次に△7七銀を狙ったところ。この銀を打たれると急に先手玉は狭くなり危険だ。ここで指された先手の次の一手は?

(難易度・・・


(これより下に解答)

(問679-1解答)「金取りの先手で飛車の活用を押さえる」
ここでの次の一手は△2六角。打たれて見ればなるほどの一着で、この金の処理も難しい。▲5八金と寄りたいが、△3七角成と成られるとうるさい。そこで玉から離れる▲3八金は仕方なく、角を手放した代わりに大きな利かしが入ることになった。

本譜は、ここからも双方に手筋の応酬で長く難解な終盤戦が続いた。そしてそこを抜け出したのが先手の羽生竜王で、有利になって第2問へ続いていく。

(問679-2解答)「一段玉を避ける玉上がり」
ここはひと目▲8八玉と上がりたい。やはり「玉は下段に落とせ」が寄せの基本であるなら、その逆である上部へ出た方が玉は寄せづらくなる。ただもちろん相手の持ち駒を見て対処するのは当然で、持ち駒が多い場合は、かえって当たりが強くなり寄せのお手伝いになってしまうこともあるので注意が必要だ。

本譜は、この後も必死に食い付く後手に対し、ハデな手(角の活用を押さえる▲3五桂)と丁寧な受け(▲7九香)を織り交ぜて後手の攻めを受け止め、先手羽生竜王の勝利となった。
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