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NHK杯に見る受けの手筋

(2019年2月11日出題)

第686問(2019年2月10日 丸山九段-久保王将戦)
(問686-1)
先手丸山九段、後手久保王将で戦型は角道オープン四間飛車。その後、先手から角を換えると後手は向かい飛車に振り直し、この形で良く出てくる仕掛け、△2五桂のタダ捨てから戦いに入った。どちらが読み勝っているか、あるいは研究しているか難しい互角の戦いは続き、下図はその中盤から終盤に入る局面。今、▲3二香成と▲3五に打った香を成り込んだところ。通常こうした場合どう応対するのが良いか?後手久保王将の指した最も自然な一手は?
(答えはこの下に)
(難易度・・・


(問686-2)
難解な終盤戦は続いているが、振り飛車の端歩が開いていない分、少しずつ先手の攻めが早そうにも見える。しかし後手も懸命に凌ぎどちらが勝っているか分からない終盤戦になっている。そしてここで丸山九段は、一手受けの手を指した。この局面で指された先手丸山九段の次の一手は?相手の攻めを遅らせることが出来なければその受けに意味はないし、下手な受けは逆に攻めを早めることにもなるので注意しなければならない。有効になる先手の受けとは?

(難易度・・・


(これより下に解答)

(問686-1解答)「駒は自陣の駒が離れない位置で取らせる」
局面のうちこの部分だけを考えた時、▲4二成香△同金の局面は金が離れ、いずれ△5二金左と一手かけることになる。ところが、▲4一成香と入り、5一の地点で銀を取らせれば△同金引と取った後は、このままの状態でも離れ駒はない。こうしたことから、普通は△4二の銀は逃げて△5一の銀は逃げないことが多い。もちろん回りの状況に応じて手の善し悪しは変わってくるのであくまで基本の考え方ということであるが、アマチュアでも有段者であればほとんど△5一銀と引くと思われる。

本譜はこの後、一手争いの難解な攻防戦が繰り広げられた。そしてそこを抜け出しそうなのは先手。一手勝ちを目指し、受けに手を戻して第2問になっている。

(問686-2解答)「急所の駒にぶつける金」
後手玉に詰めろが難しく、先手玉も△8九香成とされると急にあぶなくなる。そこで▲7七金と打ったのが実戦。これは打たれて見ればなるほどの一着で、△同成銀には▲同桂が桂を逃げながら香取りになり味が良い。実戦は△7五成銀と引くことになったが、こう進めば金は使ってしまったものの先手玉は格段に安全になった。

本譜はこの後も後手は懸命に粘ったが、やはり二枚飛車の攻めは厳しかった。一手ずつ早めに受けた後手だったが二枚飛車からは逃げ切れず最後は即詰み、先手丸山九段の勝利となった。
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