第727問(2019年12月8日 行方八段-久保九段戦) |
(問727-1) 先手行方八段、後手久保九段で戦型は後手の角道オープン四間飛車。対して先手は自陣角を打ち左美濃に囲った。その後、向かい飛車に振り直した後手に早繰り銀風に銀を繰り出し▲3五歩から仕掛け、これに反撃するという形で進行。中盤から終盤の入口、飛車と銀を交換したところでは、先手の金桂が遊びやや先手有利かと思われた。しかし自陣の脅威を薄めるため角を切って駒損し、形勢は細かく揺れ動く。下図は今、▲5二とと寄った所だが、このような場面で良く出る手筋の受けがある。ここで指された後手の次の一手は何か? (答えはこの下に) |
(難易度・・・ |
(問727-2) 最終盤、はっきり逆転し下図は後手優勢。今△7七香と打たれ、▲同銀なら△6九龍から△7九飛で詰み。ただ苦しい時でも最善の粘り方というのはある。ここで指された先手の次の一手は何か? |
(難易度・・・ |
(これより下に解答)
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(問727-1解答)「角・銀による飛車・と金取りの手筋」 飛車とと金の攻めというのは良くある。そしてそのような時、時々出てくる知っていれば一発で受けられる手筋というものもある。それが飛車(龍)とと金(成駒)に対する銀(角)による図のような両取りだ。この局面は双方この手を知っていてと金を寄っているので、こう打ったからと言って簡単に後手が良くなる訳ではないが、この手を知らずに寄って(もし龍が飛車なら)、タダでと金を取られ、あっという間に形勢に差が付くということもある。級位者の人には覚えておいて欲しい手筋だ。 本譜はこの後、後手が有利から優勢になり、決めに行ったのが第2問である。 |
(問727-2解答)「例外的な-大駒は近づけて受けよ」 ここでの先手の一手は▲4九歩。これは△同龍なら▲5九金打と先手で受けようとする一着。終盤では、大駒に当てて先手で受ける場面と言うのはよく出てくる。ただ一方で、龍や馬など大駒の成駒は、玉の近くに来ると大きな力を持っている為、危険にもなる。本来、「大駒は近づけて受けよ」は生飛車や生角に使う手筋で、ここでの受け方はそれほど頻繁に出てくる手筋という訳ではない。その時々で丁寧に読みを入れて考える必要がある。 本譜は、△7八香成から△8九飛と詰めろで先手玉に迫り後手必勝。最後は詰みまで生じたようだが、なんとその詰みを逃し逆転。形勢が揺れ動き、何度か逆転した本局は時間いっぱいまで放送され、先手行方八段の勝利で終わった。 |
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