第733問(2020年1月19日 広瀬八段-稲葉八段戦) |
(問733-1) 先手広瀬八段、後手稲葉八段で戦型は角換わり腰掛け銀。双方▲4八金▲2九飛の形から後手は一旦手待ちをしたが、先手の▲6七銀を見ると△5五銀と攻勢に出、これに今度は先手が▲3五歩から桂を跳ねて戦いが始まった。下図はその中盤から終盤に入った局面。▲7五歩の桂頭攻めに△8四飛と守るのではなく、△8六歩と突き捨て今△8七歩と玉頭を叩いたところ。王手なので何か挨拶するしかないが、ここではどうするのが良いか?ここで指された先手の次の一手は何か? (答えはこの下に) |
(難易度・・・ |
(問733-2) 激しい攻め合いになった後、先手は後手の急所の角を消して▲3四桂など様々な攻め筋を見せた。これに後手は△3一飛とそうしたいろいろな攻め筋を緩和する為回ったのが苦心の一着。そしてこの手に▲3三歩はいかにも筋。この焦点の歩に後手はどうしたら良いか?ここで指された後手の次の一手は? |
(難易度・・・ |
(これより下に解答)
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(問733-1解答)「早い段階での拠点は残さない」 矢倉の形から玉頭を叩かれることは良くある。その場合の考え方として、上から攻められそうな時には金で取り、横から攻められそうな時には玉で取ると言うのが一つの指針。とは言え、その局面ごとに正解は違ってくるので相手からどのような攻めがあるか丁寧に読みを入れる必要がある。また、終盤においては、拠点が残っても手を稼げたり、逃げ出す方が良い場合もあるので、▲9八玉や▲7九玉と逃げる手も(終盤では)読みに入れたい。 本譜はどちらが良いのか分からない攻防が繰り広げられた。解説では先手が少し良さそうに話してはいたが、感想戦では(広瀬八段は)金桂交換であまり自信がないとも。そして△3一飛に▲3三歩の手筋が放たれたのが第2問である。 |
(問733-2解答)「中段玉で凌ぐ受けの勝負手」 ▲3三歩に対し、△同桂や何もしないのは▲3四桂と打たれる。△同金は▲2二角なので、飛車で取るよりないかと見ていたら、実戦は△同玉。驚きの一着ではあるが、形勢が悪い時の受けの勝負手のような感じだ。この将棋の形勢、実際には金や飛車で取ってもそれほど差はなさそうだったが、人間同士ではやはり中段玉を捕まえるのは難しい。なので、(形勢が悪いと思う時の)受けの勝負術の一つとして覚えておきたい。 本譜は、▲4五桂に△3四玉でこの玉が寄るかどうかという勝負となった。途中、寄せ切れそうな局面もあったが、難解な最終盤で先手が間違え、後手稲葉八段の勝利となった。 |
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