第764問(2020年8月30日 糸谷八段-青嶋六段戦) |
(問764-1) 先手糸谷八段、後手青嶋六段で戦型は角換わり戦。序盤、後手が△4二へ銀を上がり、先手から角交換することになり後手は銀を△4三へ上がって駒組みを進めた。そのため下図、まだ序盤であまり見ることのない局面だが、今▲4六角と打ってこれが成立するかどうかという早くも序盤の勝負どころを迎えている。ここで後手はどうしたか?単純には△6四の歩取りだが、▲2四歩△同歩▲同角からの攻めも厳しく見える。ここで後手の応手は?実戦の進行を三手まで。 (答えはこの下に) |
(難易度・・・ |
(問764-2) 上図から先手の攻め、後手の受けが続いた。そして、後手としては少しでも間違えるとたちどころに潰れるような局面を際どく凌ぎ、途中△1九角の返し技を放つと徐々に後手が有利に。下図は中盤を過ぎこれから終盤戦。▲1八にいた飛車を今▲2八飛と戻したところで、すぐに使える訳ではないが、後手もここでどうするか難しい。△4六歩と突くのはいかにも攻めの筋ではあるが実戦はここで一手受けの手を指している。ここで指したい味の良い受けの手とは?本格的な戦いに入る前に指したい一手と言えばやさしい問題。 |
(難易度・・・ |
(これより下に解答)
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(問764-1解答)「一歩も取らせないで凌ぐ受けの技」 ここでの実戦は△6三銀▲2四歩△3二銀。△6三銀は強情な受けで「▲4六角を通さない」という訳だが▲2四歩からの攻めを正確に読まないとかなり危険だ。問題図では、▲2四歩からの攻めが厳しそうに見えるので、こちらを受けて、△6四の歩は取らせても△6三銀から銀の進出を急げばそれほど悪くはなさそうに見えるだけに△6三銀から△3二銀は驚きの受け方。ただ▲2四に拠点を築かれるのは大きいので(アマチュア的には)あまりお勧めの受けとは言えないかもしれない。 本譜は、互角の難しい攻防が続いた。▲2四歩と大きな拠点を築き、歩を突き捨て軽快に攻め立てたが際どく切り返すと後手が少しずつ余せそうな局面になっていった。そして迎えた局面が第2問である。 |
(問764-2解答)「玉の早逃げ八手の得」 ここで受けの手と言えばほぼ△6二玉しかない。そしてそれはいかにも味の良い一着でもある。もちろん盤面全体を見れば、△4六歩も突きたい一手ではあるが、△6二玉はずっと前から指したい手なので、局面に少しでも余裕が出来たらまずこの一手を入れておきたいと言うところ。 本譜は先手も▲7九玉と手を渡したが、△8六歩から今度は後手が攻めに入った。そして終盤の攻防では先手も猛追したが、最後まで有利さを保った後手が必死をかけ、それを受けた手にきっちり詰ませ後手青嶋六段の勝利となった。 |
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