第785問(2021年1月31日 永瀬王座-木村九段戦) |
(問785-1) 先手永瀬王座、後手木村九段で戦型は相矢倉戦。組み方は最新で、双方玉をガッチリと囲う前に後手が早繰り銀風に銀を繰り出した。そして後手は棒銀のさばきを得、先手もこれを▲5七角の筋で迎え撃つ。下図はまだ中盤。後手は攻めの銀を交換しているが、先手も▲8四歩と垂らしており反撃の足掛かりはある。ここで後手の指した次の一手は?▲8三銀からの先手の攻めをどう見るかにもよって次の手を決めることになる。 (答えはこの下に) |
(難易度・・・ |
(問785-2) 先手がお互いの玉頭から手を付け攻め始めると反動も厳しかった。玉飛接近形を突かれ下図は飛車が捕まっている。さすがに先手悪そうだなと思っていたがここからの凌ぎ方は感心させられる手順。ここで指された先手の次の一手は何か?差を広げさせない受け方とは? |
(難易度・・・ |
(これより下に解答)
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(問785-1解答)「玉の位置を見て辛抱する順」 △7四銀と受けたのがいかにも木村九段らしい辛抱。普通は、受けるためだけにこんな所へ銀を使わされるのでは辛いと考え、△7五歩とか何か反撃の手を指したいところだが、平凡に▲8三銀から▲7四銀成と成られると玉が近くて後手が大変そうだ。もし後手玉が△2二とかへ入っていればこのような手を指す事はないが、ここでは最善の一着なのかもしれない。 本譜はここからお互い玉を移動し、先手▲4八玉、後手△2二玉の局面で先手が▲4五歩と仕掛け本格的な戦いに入った。ただやはり先手玉が薄く、反撃されると先手の辛い局面が続き、今度は先手が必死に受けている最中なのが第2問である。 |
(問785-2解答)「希有な最善の凌ぎ手順」 ここで実戦は▲4七銀打と打った。大駒に当てる手と言うのは終盤では良く出てくるが、自分の大駒が取りになっている局面ではあまりない。と言うのも、相手の大駒に当てるとその駒を切られた後、取りになっている駒を取られてしまうからだ。(たとえばこの局面なら、△4七同馬▲同銀△2八成銀となり一枚損してしまう)。なのであまり出現しない訳だが、この局面の△4七同馬には▲2七飛の切り返しがあり成立している。かなり珍しい受けの好手ということになりそうだ。 本譜は、飛車馬交換後、▲4七銀直と立った手も場合の好手で、形勢はあまり開かない。しかし頑強に受ける先手にギリギリの攻めをつないだ後手が最後まで攻め続け、後手木村九段の勝利となった。 |
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