第784問(2021年1月24日 深浦NHK杯選手権者-屋敷九段戦) |
(問784-1) 先手深浦NHK杯選手権者、後手屋敷九段で戦型は後手急戦矢倉。後手が△7五歩から仕掛け、銀交換には成功したが、先手も▲4五歩から左銀を追い、▲5五歩で反撃ののろしを上げた。下図はやや強引とも思える攻めの結果図だが、瞬間金損しているとは言え今▲5二歩と角を殺して先手が成功したようにも見える。しかしやはり先に駒を損する手と言うのは反撃も厳しく実戦はまだまだ難しい。ここで後手の指した一手は?プロなら第一感と解説でも言っていたように筋ではあるが、アマチュアの将棋ではあまり出てこないので問題にしてみた。ここで指された後手の次の一手は何か? (答えはこの下に) |
(難易度・・・ |
(問784-2) 激闘の終盤戦が繰り広げられている最中。今△2七銀と飛車頭に放り込んだところで、▲同飛は△5八金の一手詰。と言って、角と桂だけでは後手玉を詰めることはできない。ここではどう指したら良いか?盤面全体を見て次の一手を考える。ここで指された三手一組の手は何か? |
(難易度・・・ |
(これより下に解答)
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(問784-1解答)「と金の位置を変える手筋」 ここで△6二角と上がるのが手筋。これは▲同とに△同飛と取り返す意味ではない。▲同ととさせることで、と金の位置を▲5三から玉に遠い▲6二に変えることが狙い。但し放置した時より一手先に角を取られるので、すぐに角を使われる手がある時には逆に悪手になるので注意が必要だ。 本譜は互角の難解な終盤戦が続いた。そして一手指す方が良く見える激闘の最中が第2問である。 |
(問784-2解答)「相手の攻め駒を王手で取る」 ここでの実戦は▲3五桂△同歩に▲4五角。単純な王手銀取りならすぐに気づいても、桂を捨ててからの王手銀取りには気づきにくい。しかし、初心者のうちは単純な両取りにも気づかないように、強くなればなるほど複雑な取り方にも注意が行き届くようになる。 本譜は、銀を抜いたからと言っても先手勝ちという訳ではなく、後手陣も△3四桂と打ってしっかりした。その為、△7九金から猛攻、実際どちらが勝っているか分からない熱戦となったが最後は後手の攻めを余した先手が後手玉を寄せきり、先手深浦NHK杯選手権者の勝利となった。 なお、終盤戦の途中の局面、後手玉を詰むように作成したので、「今日の実戦の詰み」もどうぞ。 |
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