第835問(2022年1月23日 羽生九段-斎藤明日斗四段戦) |
(問835-1) 先手羽生九段、後手斎藤四段で戦型は相居飛車。序盤の駆け引きで、後手は角道を止め、先手は後手の飛車先を切らせる代わりに銀の進出を急いだ。結果、後手の歩得対先手の手得という形で局面は進んで行った。 しかしこの将棋はものすごい熱戦に。総手数161手で考慮時間を省略しての放送いっぱいまで。評価値も二転三転した。下図は97手目の局面。▲8五角の両取りが厳しく、終わったかと思える局面でもある。ここでの評価値は先手優勢。受けようのない局面にも見えるが、ここを凌げばまだ難しい。ここで指された後手の次の一手は? (答えはこの下に) |
(難易度・・・ |
(問835-2) 上図からも形勢は揺れ動いた。80%くらいになっても、そこからまた盛り返すという熱戦になり、下図はその最終盤。今、▲5三とに138手目△7一玉と引いたところ。先手玉はやさしい詰めろで、後手玉を詰ますには駒が足りなそうに見える。そこでどうしたか?ここで指された先手の次の一手は?ここからの実戦の進行を三手まで。 |
(難易度・・・ |
(これより下に解答)
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(問835-1解答)「タダで取られない唯一の受け方」 両取りで、どちらを取られてもその後の攻めが厳しくまずい。しかしここで、△7四飛が簡単には終わらせない唯一の受け方。▲7四銀と飛車は取られるが△同歩でまだ飛車一枚なので簡単には寄らない。 本譜は▲7一飛△6二玉▲8一飛成に△7二銀打▲9一龍と自然な応手で進むが、△5六歩と打って、評価値もほぼ互角に戻った。そしてその後も二転三転。どちらが勝つか分からないままの終盤戦が第2問である。 |
(問835-2解答)「上部を先手で開拓して脱出」 後手玉周辺を部分的に見ると、詰ますなら▲7二銀からで、寄せるなら▲6三桂成が自然な指し手。しかし自玉が詰めろで相手が詰まない以上少しでも安全に詰めろを消す必要がある。それが本譜▲6三桂不成△8二玉と先手で上部の開拓をしてからの▲5六玉。普通に後手玉を寄せるなら▲6三桂不成は悪手になるが、ここでは先手で押さえの△6三銀を外すためやむを得ない一手で、▲5六玉と出た形は今度は先手玉が捕まるかどうかという勝負になった。 本譜は、王手金取りではなく△6六飛と付けて打ち、▲4五玉に△7七馬と玉を寄せに行ったものの非常に際どい勝負が続いた。しかし最後は先手の凌ぎが成功し、先手羽生九段の勝利となった。 |
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