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NHK杯に見る受けの手筋
(2005年7月25日出題)

第8問(2005年7月24日:橋本五段-井上八段戦)
(問8-1)
相掛かり戦。中盤、先手の橋本五段がちょっとした趣向を見せたが、うまく切り返され後手の井上八段ペースに。今、△7七銀成と桂を取ったところだが、ここでどう指すか。実戦は▲同金△7九飛成と進んだが、玉の近くに龍が来られる形は受けが利きにくい。実際はすでに先手がまずいのだろうが、解説で内藤九段が指摘した手(プロなら第一感?)を当てて欲しい。
(答えはこの下に)
(難易度・・・



(問8-2)
上図より▲7七同金△7九飛成に▲8一飛と打ち込んだところ。後手玉は詰めろではないが、△7七龍と金を取ると、▲4一銀△4二玉▲5一角△4一玉▲3三角成の王手龍取りで逆転する。それに、こういうところは無条件に次の一手を指しても良いところだ。当然の受けの一手は?
(難易度・・・



(これより下に解答)

(問8-1解答)「攻防に大駒を打つ」
内藤九段が、一手前の「△7七銀が成りだと詰めろだが▲5五角があり、不成だと▲5五角には△6六桂があるが、不成自体が詰めろではない。」と解説していた局面。なるほど、▲5五角がプロの第一感か、と感心していたら橋本五段は▲7七同金と取ってしまった。
実際には▲5五角でも金を取られてダメなのだろうが、しぶとい受けとしてこういう手を見習いたいもの。ちなみに激指4に指させてみたら、似たような意味の▲6六角と打った。ソフトの受けもしぶとい。


(問8-2解答)「金底の歩、岩より固し」
△7一歩は無条件に打っても良い歩だ。この一歩で飛車の横利きが止まり自玉(後手玉)に脅威がなくなった。本来はこのような受けがある時は飛車を打たない方が良いのだが、▲7八歩と受けるためだ(単に▲7八歩だと△7六歩が厳しい)。しかしこのような局面では敵玉に迫る手もなく、△6五桂打ではっきり勝てない。井上八段の完勝譜となった。


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