第32問(2006年1月15日:谷川九段-藤井九段戦) |
(問32-1) 最新の相振り飛車の形になった本局は、後手の藤井九段が穴熊から研究手順とも思える手順で先攻した。今▲5八銀打と龍を叱りつけた手に対し、当然逃げずに△5九金とへばり付いたところ。 次に△5八金とされると終わってしまうので何か受けなければならないがどのように受けるか。 (答えはこの下に) |
(難易度・・・) |
(問32-2) 藤井九段の”攻め”に対し、ギリギリで凌ぐ谷川九段。今、△5八銀不成と4九にいた銀を不成で引いた所。▲同金なら△6九飛成で次に何でも金を取って△2八金打までの詰みとなる。ここで谷川九段は受けの妙手を。 どうやってこの危機を凌いだのか。 |
(難易度・・・) |
(これより下に解答)
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(問32-1解答)「金を寄って辛抱する」 龍取りなので▲6九銀と取る手は一番に考えられるが、一旦△4九金と王手で取られる手が厳しい。これは決まったかに見えたのだが、▲4八金がこの後に出てくる妙手を視野に入れた辛抱。 以下△3六歩▲同銀△5八金▲同金に△2八銀。これで決まってそうに見えるが、▲同玉△4九龍に▲5九金打!が受けの強防手。 寄るかどうか見応えのあるギリギリの攻防戦が続いた。 |
(問32-2解答)「遠くから大駒を間接的に利かす」 決まったかに思えたこの局面で、谷川九段は▲8八飛と打った。△5九銀ならもちろん▲3八飛と金を取れる。かと言って、持ち駒のない後手には適当な受けもなく藤井九段は△6七飛成とつないだが、▲1六歩が落ち着いた好手で攻めを遅らせることに成功した。 攻めだけでなく受けも超一流であることを見せつけた谷川九段は、きっちり見切り最後は光速の寄せが炸裂した。 |
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