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NHK杯に見る受けの手筋
(2006年1月23日出題)

第33問(2006年1月22日:久保八段-森下九段戦)
(問33-1)
先手久保八段の四間飛車に対し左美濃から米長玉へ繰り替えた森下九段。その森下九段の細かい動きに機敏に応じた久保八段が攻めを催促する形で戦闘に入った。今、6一飛成に△3六歩と急所に取り込んだ所。二枚飛車は打ちたいが、王手で桂を取られその後△3一歩と打たれてしまう。ここで久保八段はらしい軽快な手順を披露。僅かな有利を保ったまま終盤戦に入った。
(答えはこの下に)
(難易度・・・



(問33-2)
△3一歩と打って後手陣は固いが、攻め駒不足でやや攻めが細い。加えて4五の銀取りになっており攻めを急がされている。手の流れから先手に食い付いて行く手ばかりを考えてしまうが、ここで森下九段はらしい落ち着いた受けを指して差を広げさせなかった。指されてみれば当然のその一手は?

(難易度・・・



(これより下に解答)

(問33-1解答)「取られる場所を変える」
以前に香を浮き、取られる場所を変えた手筋は出たことがあるが、今回のように桂をタダで跳ねる手は珍しい。しかし、同銀とさせることで▲4一飛が▲2一飛成と銀取りを見た手になる。以下△3七角から難解な終盤戦が続いた。


(問33-2解答)「取りを防いで相手に手を渡す」
指されて見れば当然とも思える一手だが、テレビを見ている時は、食い付く手ばかり考えてしまい思いつかなかった。急がされている時に、このようにじっと手を渡すことが出来れば相手に相当強い、と思わせられるだろう。
この後も森下九段は離されないように辛抱を重ね、最後は玉立ちの妙手を放ち久保八段に間違いを誘発、逆転に成功した。


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