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NHK杯に見る受けの手筋
(2006年2月20日出題)

第37問(2006年2月19日:森下九段-三浦八段戦)
(問37-1)
先手の森下九段が意表の三間飛車から石田流に組み、この飛車を目標に三浦八段が動くという展開になった。その後、ねじり合いの長い中盤戦が続き、三浦八段は、位と歩損の代償に桂香を得した。そして迎えた図の局面。単に△7九角成は甘いと見て△4五桂と打ち、次に△5七桂成を狙ったところ。もちろん単純に成られてはまずい。ここはどのように受けるか。
(答えはこの下に)
(難易度・・・



(問37-2)
森下九段に見落としがあり、今△8五歩と角取りに歩を突き出され、ちょっと困ったところ。この角が動くと6八の角も取られてしまう。ここはいっぺんにつぶされない為にどのように凌ぎ混戦に持ち込むか。


(難易度・・・



(これより下に解答)

(問37-1解答)「利かされても一旦は辛抱する」
桂成を防ぐだけなら、4六に歩を打てれば防げるので▲4三歩成から精算すれば歩は打てるが、金交換になるので△7六金(△5七金)のような手も生じ、結局△5七桂成が受からない。
ここは悔しくとも一旦は▲4八金と桂成を受ける一手。△7九角成に▲5五金として今度は打った△4五桂を狙いに行って依然難解な終盤戦が続いた。


(問37-2解答)「局面によっては二枚替えでも良し」
▲7五角は平凡に△6八飛成と角を取られて為す術がない。森下九段は一旦▲5八金と当てた。普通当たりに当たりをかけると、△4七飛成(6八に角の利きがなければ△6八飛成)▲同金△8六歩と二枚替えされ悪い場合が多い。しかし、この局面は▲5二飛の王手銀取りが厳しく、すぐに銀を取り返せるという訳だ。
森下九段は、感想戦で数手前の△6七飛を見落としたと言っており、この局面はすでに苦しい。実戦は、△6六飛成と成り返り、▲6三歩成△8六歩▲5三と!と進みなんとか勝負形に持ち込もうとしたが、的確な三浦八段の寄せに持ち堪えられなかった。

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