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NHK杯に見る受けの手筋
(2006年2月27日出題)

第38問(2006年2月26日:丸山九段-郷田九段戦)
(問38-1)
典型的な角換わり腰掛け銀から、これも典型的な定跡通りの仕掛けを行った先手の丸山九段。それでも途中、飛車を中段に浮く最新の形から徐々に未知の世界へ。
図は、▲3三歩△同銀に▲4五桂と跳ねたところ。後手は打った△1四角が働くようになれば良くなるが、それが間に合うかどうか。もちろん▲3三桂成とこのまま銀を取られてはまずいので何か応接するしかない。
(答えはこの下に)
(難易度・・・



(問38-2)
一直線の手順で最終盤まで進んでしまった。この間、特に受けの手筋や妙手もなかった為、すでに勝敗は決してしまったが、この王手にどうするか考えてもらう。金で取るか▲9七玉と上がるか二つに一つ。


(難易度・・・



(これより下に解答)

(問38-1解答)「駒損でも攻めを遅らせる」
ここで3三の銀を逃げるのは再度▲3三歩と叩く手が厳しく持ちこたえられない。ここは、銀桂交換というのは部分的には駒損だが桂を取る一手。また、桂が入ると△7六桂の攻めも見ている。
実戦は以下▲同銀に、郷田九段は△7六桂を決めて、△3七桂成と勝負に出た。


(問38-2解答)「最後は読みの問題」
前局面、△3七桂成以下▲3三飛成と飛車を切り一直線の攻め合いになった。と言ってもこの一直線は明らかに先手の一手勝ち。最後、形作りに打った△8八金だが、応手を誤ると逆転する。
正解は▲9七玉。ここ▲8八同金と金を取るのは△同桂成▲同玉に△7八金で詰み。図の△9七玉に対し、△8五桂▲同銀△8六銀!という追撃もあるが、▲同歩△8七飛▲同金△同金▲同玉△6九馬に△7八歩で僅かに届かない。
実戦での最終盤はすべて読みだけの問題。この二つを正確に比較して勝ちを読み切らなければならない。


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