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NHK杯に見る受けの手筋
(2006年3月6日出題)

第39問(2006年3月5日:三浦八段-渡辺竜王戦)
(問39-1)
がっちり組み合った矢倉戦から先手の三浦八段が一歩損ながら銀をさばいた。その後、△8五に跳んだ桂を払い、それに渡辺竜王が△同歩と歩を進めたところ。
図は先手の桂得だが、玉頭が薄いのが弱点になっている。ここはどのように補強しておくか。
(答えはこの下に)
(難易度・・・



(問39-2)
中盤のねじり合いが続き、受けに徹した三浦八段が少しずつ良くなっていった。そして今△9四桂と銀取りに打ったところ。もちろん次に単純に△8六桂と取られてはいけないが、▲7五銀と逃げるのは△8五飛でやはりまずい。ここは味良く受ける手がある。


(難易度・・・



(これより下に解答)

(問39-1解答)「玉頭はしっかり受ける」
次に△8六歩と突き出されては、桂得くらいでは追いつかなくなる。そこで歩切れにはなるが、▲8七歩としっかり受けておくのが好手。持ち歩がなくなって、さらに将来△7六桂などの傷は残っているが、桂得という代償はもらっている。この後、中盤の難解な戦いに入った。


(問39-2解答)「上部は手厚く、馬の守りは金銀三枚」
▲7六馬と垂れ歩を払いながら馬を上部の守りにつかせるのが味良い一手。△8六桂と銀は取られるが、▲同馬で上部からの攻めは受けきっている。
実戦はこの後、細い攻めをつなげようとする渡辺竜王に完全に切らせようとする三浦八段のものすごい攻防が続いた。そして一時はかなり先手が優勢だったと思うが、竜王の勝負手に何度か間違え、最後は△3五角と角を捨てて一歩を取るという豪快な寄せが炸裂し寄せ切られてしまった。

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