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NHK杯に見る受けの手筋
(2006年3月20日出題)

第41問(2006年3月19日:渡辺竜王-丸山九段戦)
(問41-1)
NHK杯決勝でもある本局は、先手渡辺竜王の初手▲3六歩という奇手から始まったが、丸山九段がじっくり応対した為、矢倉模様の手将棋になった。
その後、微妙なタイミングの仕掛けから形勢不明の熱戦が続き、今、丸山九段が玉頭を緩和しつつ、飛車で取れば△4九角の攻めを見て△3八歩と叩いたところ。この応手が難しく、ここでは丸山九段が有利になったのかと思っていたが・・・。
ここで渡辺竜王の指した一手は?

(答えはこの下に)
(難易度・・・



(問41-2)
ギリギリで凌いだ渡辺竜王が、駒を渡さずに一手すきで必至をかければ勝ちという局面になった。しかし、▲5二銀成から▲6一角を打った手が(おそらく)疑問で、ここでは逆に丸山九段の勝ちになっている。先手玉は詰まないが、ここで後手勝ちを決める一手は?


(難易度・・・



(これより下に解答)

(問41-1解答)「決め手を与えない下段飛車」
3筋から飛車がそれてしまうと相手玉に脅威がなくなるので、テレビを見ている時は、▲同飛と取り△4九角の時に何かするのでは、と思っていたが、渡辺竜王はじっと▲6九飛と逃げた。しかし、指されて見ればこの手がしぶとい。△8六歩という手筋は▲8八歩でまだ寄らない。丸山九段は△1二角の利きを見て△8六金!から先手玉に迫った。


(問41-2解答)「玉の早逃げ八手の得」
受けの手筋で良く出てくる早逃げが、ここでも決め手になった。早逃げを決めずに△4七金と必至をかけるのは、▲5三成銀の両王手で簡単に後手玉は詰んでしまう。
この後、▲3八銀△同金に▲3六飛で金を抜いたが、丸山九段は冷静に△2三玉と引き、NHK杯初優勝を飾った。

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