第70問(2006年10月15日:中原永世十段-島八段戦) |
(問70-1) 先手中原永世十段の左美濃に対し、後手の島八段は向かい飛車から中央で動いた。その後、飛車取りに対し、逃げるのでは2筋からの攻めが間にあうと見て、放置して中央の戦いに持って行った島八段。今、△6八歩と手筋の叩きを放った所。実戦はこの手に手抜きで▲6四歩を打ったが、やはり6九の金を取られるのは大きく、先手が形勢を損じた。ここでは解説の加藤九段が指摘していた手を3手まで進めて欲しい。 (答えはこの下に) |
(難易度・・・) |
(問70-2) 最終盤、△8八金に▲9七玉を決めた所。ここでは既に後手必勝で△7九角と打てば、ほとんど受けがなくこれでも勝てそうだが、実戦的には▲6一龍に△8一桂を使わされるのはやや気になるところ。そこでここで指された実戦的な島八段の指し手は? |
(難易度・・・) |
(これより下に解答)
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(問70-1解答)「両取りの瞬間にかわす受け」 加藤九段の指摘した手は、▲6八同角と取り、当然の△5七銀に▲5六金とかわす手。△6八銀成なら▲同飛と当たっている飛車が逃げられるので、△2八角成と成るしかないが、▲5七金と味良く銀を取り、まだまだこれからの将棋が続く。 |
(問70-2解答)「王手で駒を取られる手を避ける」 △7九角は必死なので本来はこれが正解かもしれない。しかし、▲6一龍と王手で金を取られ△8一桂と受け駒を使わされる。もし、先手に受け手があると逆に必敗になる可能性もある。 島八段の指した手は△6三歩でいかにも実戦的だ。▲5四龍なら銀は取られるが玉は安泰。△7九角が仮に必死でなくても勝てそうな局面。 実戦は▲5四龍△7九角に▲5五角と打って詰めろ逃れの詰めろ(になっていそうな手)を指したが、△4六角成がまた詰めろ逃れの詰めろ。▲8八角と取るしかなく△2八馬で後手勝勢となった。 ※なお、▲5五角が本当に詰めろになっているかどうかソフトで検証した所、後手玉は詰めろになっていなかったようだ。 |
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