第89問(2007年3月4日:佐藤棋聖-野月七段戦) |
(問89-1) 先手佐藤棋聖の▲7六歩に後手の野月七段は△3四歩。以下▲2六歩△8四歩となり横歩取り8五飛戦法へと進んだ本局は、先手が居玉のまま桂をさばき、これに後手が反撃する形となった。そして、横歩取りらしく飛角が中央で動き、今▲1五桂と次に▲2三歩成の攻めをみたところ。ここで駒損にならない為の後手の当然の一手は? (答えはこの下に) |
(難易度・・・) |
(問89-2) 先手の佐藤棋聖は、▲8五桂と跳ねだし、▲7三桂成△同銀と進んだ。この銀は何も利いていないが、取ると、△9五角の王手飛車がある。という訳でここで佐藤棋聖の指した一手は?何かを受ける、と言うより、次に攻めるためにどのように自陣に手を入れるか、ということである。 |
(難易度・・・) |
(これより下に解答)
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(問89-1解答)「桂には桂(同じ駒)で受ける」 桂に対して桂で受けるのは、受けの基本形。局面によって変わってくるが、守りに駒を使わせて、「利かせた」と言える場合もあるし、逆に早過ぎると打った桂(この場合は1五の桂)を狙われて逆に劣勢になることもある。 本譜は1五の桂を取る暇がなかった為、結果的に3一の桂は壁となり大いなる利かしとなった。 |
(問89-2解答)「王手飛車のラインを消す陣形強化」 佐藤棋聖はここでじっと▲6八銀と上がった。この銀は次に▲7三飛成を実現させる為のもので、5七の地点も厚くしている。但し反面、6八から玉が逃げる位置をなくしているマイナスもあり、読みの必要な手だ。 特に相手陣に対しては何もしていないので先手先手で飛車を追われるような手があるとまずい。 実戦はこの直後△7四銀の悪手が出て、▲5五飛で急に先手が良くなったが、△6四角なら(感想戦では、それでも先手がなかなか悪くはならなかったが)本譜よりはだいぶ後手も良かったらしい。 △7四銀以下▲5五飛と飛車をぶつけられ、さらに△2七角に▲5四飛△同歩▲8四角と急所に角をのぞかれ、先手玉にも迫ったものの、最後は後手玉の寄せられる方が早かった。 |
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