第90問(2007年3月11日:窪田六段-森内名人戦) |
(問90-1) 先手窪田六段の藤井システムに対し、△5五角から急戦を仕掛けた森内名人。お互い銀を手持ちにして難しい動きの中盤が続いたが、先手が銀を手放してやや急がされる局面になった。 それでも▲4六桂が急所で、角しかないとは言え▲3四桂と跳ねて△2一玉の形は相当。今、4筋を切り飛車を走った所だが、ここで後手の森内名人はどのように受けたか?△4三銀や金を上がって受けるのは、切られてあっと言う間に終わってしまう。 (答えはこの下に) |
(難易度・・・) |
(問90-2) 頑強に抵抗する後手に対し、先手も銀損しながらも厳しく攻めて迎えた下の局面。▲6六角と引いた所だが、次に▲4四歩の痛打があり、後の先になっている。ここでの森内名人の一手は? |
(難易度・・・) |
(これより下に解答)
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(問90-1解答)「打ちづらさに関係なく読みを入れて駒を投入」 ここで森内名人は△4三角と角を打って凌いだ。歩が二歩以上あれば、△4三歩▲5四飛に△5三歩だが、その歩も一枚しかない。△4三銀打で凌げれば良いが、▲6三成銀で相当気持ち悪く、△2二銀は打つ気がしないし、△3一銀は▲4二歩が利くということらしい(感想戦にて)。 それにしても△4三角とは見ていてビックリだった。打ちづらくとも、切られても大丈夫な駒ということで、角が最善なのかもしれない。 |
(問90-2解答)「手を稼ぐ犠打」 歩があれば△4四歩もあるが、銀では喜んで切られてしまう。そこで森内名人は△5五桂と犠打を放ってこの場を切り抜けた。もっとも完全な犠打という訳ではなく、すぐに取るのは△6七角成と重荷の角に逃げられてしまう。と言うわけで、本譜は▲5七金△5三金▲5五歩と進んだが、△4四金と離れている金を玉頭の厚みに加えることが出来、後手が優勢に。その後、△6八飛から華麗な寄せで先手玉を寄せ切った。 (追記) 「窪田六段のブログ」によると、△5五桂はやや疑問で、『△2四銀▲3六飛△2五角▲4六飛△3五銀で盤石だった。』とのこと。また、その下に、『95手目は▲6七角の一手だった。△6九龍▲5四歩△6八飛が厳しいが▲5八金引でしぶとく、逆転の綾があった。』とも書かれており、確かにその通りに進んでいればまだ一波乱あったかもしれない。 |
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