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NHK杯に見る受けの手筋
(2007年4月16日出題)

第94問(2007年4月15日:北浜七段-中村(亮)四段戦)
(問94-1)
先手北浜七段の居飛車穴熊模様に藤井システム風に駒組みを進めた中村四段。仕掛けを見送り、結局お互いガッチリ囲い合うことになったが、僅かなスキをつき、先手が先攻した。
そして今、桂損ながら飛車を成り、穴熊側としては十分過ぎる成果を上げ、優勢になったところ。後手としては5二の銀取りを受けなければならないが、平凡に受けるのでは”後手だけ終盤”になってまずい。
ここで指された中村四段の一手は?


(答えはこの下に)
(難易度・・・



(問94-2)
後手劣勢の局面から辛抱強く受けられて、先手も決めきれないでいる状態が続いている。そして今、▲5五桂に△同金▲同歩と進んだところ。▲8一金には△7三玉があるのでそろそろ歩を取り込むのかと思っていたら、受けにしぶとい中村四段らしく、ここでさらに受けの好手を放った。その一手とは?


(難易度・・・



(これより下に解答)

(問94-1解答)「決め手を与えない粘り」
ここで中村四段は△4三角と打って5二の銀を守った。本来は角を自陣に手放したくはないが、平凡な△6三銀では▲6四歩と叩かれる手が厳しい。あまり適当な受けがなく相当(後手が)悪いと思っていたが△4三角が辛抱強い一手。これでも悪いことには違いないが、まだまだ長い戦いが続いた。



(問94-2解答)「鍛えの入った手」
ここで中村四段は△7一桂と打った。この手は具体的には△8一金を受けたものだが、その手だけを受けるなら他にもいくつか方法がある。この△7一桂は、説明のしづらい一手だが、のちのち攻められたときに良く利いてくる(実戦も6三の飛車にヒモが付いていた)手で、いわゆる”鍛えの入った手”と言える。
実戦は94手目にようやく△9六歩の取り込みが入り、それでもまだ難しい所もあったが、正確な端攻めが炸裂、NHK杯初出場、初勝利をあげた。

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