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NHK杯に見る受けの手筋
(2008年9月8日出題)

第163問(2008年9月7日:羽生名人-山崎七段戦)
(問163-1)
先手羽生名人、後手山崎七段で角換わりになったが、右玉に構えた山崎七段が3筋から意表の仕掛けを行い戦いが始まった。
そして終盤に入り、図は▲8三香と打ったところだが、先手陣に迫るには△6六歩から△6七歩成を間に合わせなければならない。となるとそれまでの間、後手玉を凌ぐ必要があるが、ここで後手が指した当然とも言うべき次の一手は?


(答えはこの下に)
(難易度・・・



(問163-2)
△6六歩ではなく、△6七香と放り込んで攻めに加速を付けたが、先手も▲2一歩成と詰めろをかけた。そこで今一旦△3四銀と歩を払い詰めろを消したところ。△6八香成は詰めろではないので、後手玉に詰めろをかけ続ければ良い訳だが、△3三玉からのとん走が止まらず意外に大変かと思われる局面。ここで羽生名人は、見事な手順で勝ちを引き寄せた。その一連の手順とは?三手以上読みを入れて。


(難易度・・・



(これより下に解答)

(問163-1解答)「玉の早逃げ八手の得」
たびたび出てくる玉の早逃げがここでも有効、と言うよりこの局面では絶対だ。7二に玉がいる状態では▲8二香成を△同歩とは取れないし(▲同龍で詰み)、なにより金銀龍のいる方へ玉を入り、敵の龍や角から遠ざかるのが当然の一手とも言える。



(問163-2解答)「守りの金を攻めに使う」
▲6七金直△6六歩▲5六金△6七歩成▲5五金が一連の手順。
普通△6七香のように攻めに加速を付ける手に▲同金と応じるのは良くないことが多いが、この局面で羽生名人は▲同金直から△6六歩に▲5六金と出て、一気に局面を決めに出た。
△6七歩成と成っても、▲5五金が詰めろ逃れの詰めろで勝ちというのが読み筋で、見事な勝ちの決め方だった。


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