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NHK杯に見る受けの手筋
(2009年9月14日出題)

第215問(2009年9月13日増田五段-堀口七段戦)
(問215-1)
先手増田五段、後手堀口七段で△8四へ引く横歩取り△3三角戦法となった。序盤から定跡を外れ、巧みに動いた後手が有利に進めたが、先手も角を成り下の局面ではすでに優劣不明なほど盛り返した。
今、△3七歩と垂らし、次に△4四桂で飛車を追い△3八歩成を狙ったところ。ここで指された先手増田五段の一手は?


(答えはこの下に)
(難易度・・・



(問215-2)
先手の思い切りの良さが疑問となり、後手が大きく駒得をして優勢になった。今、△7八銀成と金を取り、▲同玉となったところ。ここで指された後手の一手は?
手の性質から言うと受けの手という訳ではないが、部分的に良く出現する手筋でもある。


(難易度・・・



(これより下に解答)

(問215-1解答)「と金を許さない受け」
平手でも駒落ちでも、基本はと金を許してはいけない。やはり単純に△4四桂▲2六飛△3八歩成と成っては先手敗勢となる。そこで歩成りを受けることになるが、歩が打てれば▲3九歩と受けるような手もあるが、香では△2九とと寄られてしまう。
ここでは、▲4七銀と立ちながら受けるのが味良い一手。これで後手からの急な攻めがなければ凌ぎきることになるが、実戦は△3八歩成▲同銀△4四桂と後手の攻めも厳しく難しい戦いが続いた。

※なお実戦はこの後、▲2六飛△3六金に▲4四馬と取った手が疑問で▲2五飛△2四香と進めば飛車は死ぬが難しいとのことであった(感想戦による)。

(問215-2解答)「打ち込んだ飛車を捕まえる手」

ここでは△1二角と打ち、2一の飛車を取ってしまうのが(先手玉を寄せるのに)早い。本譜▲1一飛成に△2一金となる。
このように自陣に打ち込まれた飛車、あるいは敵陣に打ち込んだ飛車が金銀(時には飛角)で死ぬことが時々ある。級位者へのアドバイスになるが、飛車を打ち込む時にはその飛車が捕まらないかどうか、自陣に打ち込まれた飛車の動きが狭い時は、捕まえられることが出来ないかどうかを読むことが常に必要になる。

実戦は飛車を取って二枚飛車で攻めた先手が大きな駒得と相まって明解な手勝ちを収めた。


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