第216問(2009年9月20日谷川九段-糸谷五段戦) |
(問216-1) 先手の谷川九段が3手目角道を止め、三間飛車から石田流の銀冠に構えると、後手の糸谷五段は、銀冠から居飛車穴熊に組み替えた。 双方ガチガチの囲いの中、戦いが始まり難しい中盤戦が続いたが、飛車を見捨てて先手玉に攻めかかった後手が少しずつ食いつける形を作っていった。そして今、△4七銀と打ち込み、重いが切れない攻めを目指したところ。ここで指された先手谷川九段の一手は? (答えはこの下に) |
(難易度・・・) |
(問216-2) 後手の攻めが続く中、▲1五歩と反撃に出たが、4七にと金を作り、先手の飛車を先手で追い△6六歩に▲6八飛となったところ。どう指すべきか難しいところだが、ここで指された後手の次の一手は? |
(難易度・・・) |
(これより下に解答)
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(問216-1解答)「質駒を守りに使う一石二鳥の手」 部分的には△4七銀のような打ち込みに対しては、▲4九金引とかわすのが手筋だ。しかしこの場合は、△3六銀成と成り返られると2六の銀に当たりつつ△4七歩成を見られてまずい。 そこで谷川九段はじっと7四の飛車を▲7八飛と引いて受けに利かせた。7四飛の位置は、攻めの途中で玉の横が素通しになれば飛車を取って王手角取りになる危険があるし、何よりこのように質駒になっていると決めるだけ決めて飛車を取られてしまう可能性が高い。 ▲7八飛と引くことで、質駒をなくし少しでも手を遅らせて▲1五歩からの反撃に期待する。 |
(問215-2解答)「手を戻すタイミング」 1五を突かれた時に、一旦取る手もあるとは思うが、いつでも1四歩の叩きを見られ守りが薄くなるのは気になる。実戦は▲1四歩と取り込まれるより早く4八の金を取り、▲同飛に△4七歩成を決め、さらに飛車を先手で追った。こうしておいてからじっと△1五歩と手を戻した。このように手を戻すタイミングというのは非常に難しく、局面によっては、攻めを呼び込んだり寄せがあるのに逃したりと緩手になることもある。 但し、この局面では、▲4四歩くらいの手しかなく、△3七とから△1六桂▲1七玉に△6四馬と攻めを継続。 この後も、穴熊の遠さを生かし、一気に先手玉を受けなしに追い込んだ。 |
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