第260問(2010年8月1日 清水女流王将-堀口七段戦) |
(問260-1) 先手清水女流王将、後手堀口七段で、戦型は相掛かり戦。お互いが腰掛け銀に進めた後、先手の清水女流王将が仕掛けて戦いが始まった。 それに対し、後手が反撃。下図は△4八角と金に当てた手に▲3六飛、△6五桂と角に当てた手に▲6六角と指し、今△5四桂と再度急所の角取りに桂を打ったところ。ここで、指された清水女流王将の手は?また、感想戦で堀口七段が気にしていたという意表の一手は? (答えはこの下に) |
(難易度・・・ |
(問260-2) 先手の受け間違いもあり、後手の攻めが成功し勝勢になった。今、最後の反撃に▲7三角と飛車取りに角を打ったところ。ここで指された後手堀口七段の次の一手は? |
(難易度・・・ |
(これより下に解答)
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(問260-1解答)「例外的な”成られても凌げる形”」 ここで実戦は▲4七金と寄って受け、△6六桂▲同歩に△2五角と進んだ。しかし最後の△2五角が痛打で、この後は後手に攻めきられてしまった。 ここの三手がこの将棋の大きなポイントで、解説の佐藤九段が話していたのは、▲4七金△6六桂▲4八金△7八桂成▲同玉と言うもの。普通、玉の側の金を取られるのは論外だが、この局面はそれでも難しかった。 また、感想戦の最後に堀口七段が話した手がここで▲5五角と逃げておくというもの。これも普通5七の急所に王手で成られるような場合は、考えもしないが、持ち駒がない為これも難しかったようだ。終盤においても経験や手筋は役に立つものだが、例外的に筋でないものでも、丁寧な読みで凌げることもあるということ。 |
(問260-2解答)「受けがないときはあわてて攻めない」 ここで堀口七段の指した一手はじっと△8一飛と引いておく手。大駒に当てられた時、あわてて△8五桂などとその場凌ぎに王手をしてしまうのを見ることがあるが、あまり良い結果にはならない。また、終盤では、△8三飛や△7二飛など角に当てて先手を取ることもよくあるが、この局面のように先手玉が不安定であまり受けがない時には、何もしないでじっと逃げておいた方が良いことも多い。 本譜は、この後、▲5六に桂を据えて▲4四桂からの攻めを見せたが、△6五歩が一手スキで、▲6六歩の受けにも△8五桂以下着実に後手が寄せ切り勝利した。 |
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