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NHK杯に見る受けの手筋

(2010年12月13日出題)

第279問(2010年12月12日 三浦八段-森内九段戦)
(問279-1)
先手三浦八段の居飛車に後手の森内九段は、▲2五歩△3三角を決められた為、向かい飛車に。その後、じっくりした駒組みから先手は居飛車穴熊へ、後手は銀冠へと組み替え戦いが始まった。
下図は終盤、先手がやや有利と思われる仕掛けから後手が猛烈に追い上げ、先手が今、▲8六桂と急所に桂を打ったところ。ここで指された後手森内九段の次の一手は?

(答えはこの下に)
(難易度・・・



(問279-2)
▲8八銀に△6八銀と先手に詰めろをかけたところ。この詰めろは当然受けなければならないが、同時に△7五香と銀を補充された時にも詰まないようにしなければならない。ここで指された先手三浦八段の次の一手は?
(難易度・・・



(これより下に解答)

(問279-1解答)「底歩に対する香の反撃」
ここでは銀取りなので△8五銀と逃げるのは自然だ。しかし、先手に桂があるため、▲7五桂という手が(銀を逃げると)厳しくなってしまう。そこで打たれた△7二香が好手。▲7四桂と銀を取られても△同香と取り返した手が次の△7八香成を見て非常に厳しいし、歩の利かない先手は▲7五桂と桂で受けるしかないのも辛い。
そのため実戦は、7四の銀を取らずに▲7七飛と回って数を足し、難解な終盤戦が続いた。


(問279-2解答)「薄氷の受け」
とりあえず△8八龍▲同玉△7六桂の5手詰を受けなければならないが、仮に▲7七香とか受けても△7五香ともう一枚の銀を取られるとやはり△8八龍からの詰みが生じてしまう。この△7五香を詰めろにしない唯一の受け。それが▲7七歩だった。

実戦も△7五香と取らざるを得ず、▲7二飛から▲9五歩と詰めろをかけられ、勢い△8八龍から攻め込んで行ったが僅かに届かず、難解な終盤戦を先手が制した。

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