将棋タウン(ホーム)へ/受けの手筋表紙へ

NHK杯に見る受けの手筋

(2010年12月27日出題)

第281問(2010年12月26日 堀口七段-糸谷五段戦)
(問281-1)
先手堀口七段、後手糸谷五段で戦型は一手損角換わり。双方が腰掛け銀にし、先手が手待ちをした瞬間に後手が仕掛けて戦いが始まった。
下図は、先手の受けに問題があり、後手が一本取ったところ。▲2四歩と突き捨て△同銀と2筋が動いているが、後手からの△6六桂が非常に厳しい攻めとなっている。この△6六桂を受けるための次の一手は?

(答えはこの下に)
(難易度・・・



(問281-2)
すでに後手必勝。しかし、▲4一飛と打たれ、次に▲2四飛△同歩▲4三銀とか単に▲4二金とか貼り付かれると勝負は分からなくなる。ここで後手糸谷五段の受けの一手は?

(難易度・・・



(これより下に解答)

(問281-1解答)「馬筋を変える歩」
実戦は▲5八歩。こういう馬の筋や龍の筋を変える歩はプロなら第一感。△同馬と取らせることで、△6六桂をなくすというものだが、ここでは△4八馬と金取りに入られ疑問だったようだ。感想戦で触れられた変化は▲6七歩。単に桂を受けるだけの手なので、強くなればなるほど指したくはない手とも言えるが、悪いながらもここでは一旦厳しい筋を受けておいて、▲5四歩からの反撃に期待するところだったようだ。
ただし、ここでは疑問と言っても、このような受けの手筋は実戦では好手になることも多いので、覚えておいてもらいたいと思い問題に出してみた。


(問281-2解答)「大駒に当てて自陣を強化する」
△3一金打と自陣に金を入れるのが手堅い一着で勝利を確実にした。前の問題でも「終盤、単に受けるだけの手」ではあまり良くないと言う風に書いたが、ここでも受けるなら、飛車に当てる金が筋というもの。銀や桂では「単に受けただけ」で受けとしては弱い。終盤では、先手を取って受けることが多くの場合好手となる。

本譜は、▲9一飛成と香を取るくらいしかないが、△4六馬がその龍に当たり、さらに2九飛や6五銀の位置も悪く、先手陣はまとめきれないほどバラバラになってしまい、この銀を取られた後、数手で投了に追い込まれた。

先週の問題へ/来週の問題へ

将棋タウン(ホーム)へ/受けの手筋表紙へ