将棋タウン(ホーム)へ/受けの手筋表紙へ

NHK杯に見る受けの手筋

(2011年1月10日出題)

第282問(2011年1月9日 羽生NHK杯選手権者-勝又六段戦)
(問282-1)
先手羽生NHK杯、後手勝又六段で戦型は一手損角換わり。先手の棒銀に対し、四間に振る定形で受けた後手は、逆に4筋から攻撃し、戦いに入った。
下図は、銀得を果たした後手だが、8一の飛車に暴れられるとたちまち銀得くらいは吹き飛んでしまう局面。ここで、その駒得を生かす渋い一手は?後手勝又六段の指した次の手は何か?

(答えはこの下に)
(難易度・・・



(問282-2)
形勢が細かく揺れ動いた本局。今、△4二玉と5一から早逃げしたところだが、ここでは先手が寄せきったかと思われる局面。ここで指された先手の次の一手は?

(難易度・・・



(これより下に解答)

(問282-1解答)「駒損を回復させない自陣角」
本来は、大駒を生のまま自陣に打つことはしたくないところだが、8四や9一飛成と成られるのも痛い。そこで、この二つを同時に受けたのが、△7三角。ここに角を打つことで、9一、8四の両方を守ると同時に、次に△7一金という手も見ているし、さらに後の活用として△6五歩もあり、これで微差のままの終盤戦が続いた。


(問282-2解答)「終盤は攻防の一手を」
攻めるだけなら、上部に駒を置いておいたり、部分的には▲5四歩などが筋になる。しかし、先手の玉のラインがあいていること、△8六香や、△7八馬▲同玉△6六桂などのとん死狙いなど残っているのも嫌みだ。
そこで、終盤は攻防手を放つのが好手になることが多いように、ここでも▲6四角が△8六香を消しながらの詰めろで味が良い。

本譜は、これで決まったかと思われたが、後手も粘りを見せ、最終盤はどちらが勝っているか分からないような熱戦となった。しかし、最後に(先手玉に)詰めろをかけた手が敗着となり、逆に先手に詰めろ逃れの詰めろをかけられ再逆転することは出来なかった。

先週の問題へ/来週の問題へ

将棋タウン(ホーム)へ/受けの手筋表紙へ