第291問(2011年3月20日 糸谷五段-丸山九段戦) |
(問291-1) 先手糸谷五段、後手丸山九段で出だしの手順こそやや変則的だったが、14手まで横歩取りの形。そこから先手が飛車を引き、後手が横歩を取る珍しい戦型となった。 今、先手が角交換をし、▲7七桂から▲8八銀と上がったところ。まだ中盤だが、ここで指された後手丸山九段の次の一手は? (答えはこの下に) |
(難易度・・・ |
(問291-2) 先手が▲8五歩と飛車の退路を断った手に対し、後手の丸山九段は、△5四角の筋を見て△2七歩から△8七歩と打ち、△8九角と攻めを敢行した。しかしこの攻めは勇み足だったようで、次の一手で先手が優勢を拡大。先手糸谷五段の次の一手は? |
(難易度・・・ |
(これより下に解答)
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(問291-1解答)「手損でも飛車を楽な位置に戻す」 横歩取りの場合、横歩を取った方が歩を得し、その代わりに手損をするのが普通で、これで釣り合いが取れているという訳。ここで、何もしないと、▲8七銀から飛車をいじめられたり、▲8三角と打って馬を作られる手が常にある。そこでそうした筋を消す為、△8六飛と元の位置に戻っておくのが常識的だが立派な一着。後手は歩得を主張し、先手は手得を主張しながら駒組みを進めることになる。 |
(問291-2解答)「元の駒を攻める受け」 このままだと後手からの△7八角成▲同銀△8八歩成と言う攻めはあるが、部分的にピッタリした受けはない。しかし、ここで放った▲9五角が攻め駒を攻める非常に厳しい受けの一手。この手でしびれている、と感想戦ではこの後はあまり並べられなかった。 感想戦で並べたのは、△2七歩から攻め込む所で、単に△5四角と打っておく手など。それなら後手有利の変化が多かったが、実戦はこの後、△8八歩成▲8六角となり、▲7七の桂が▲6五桂と玉頭を直撃。39手という非常に短い手数での後手の投了となった。 |
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