第308問(2011年7月17日 片上六段-戸辺六段戦) |
(問308-1) 先手片上六段、後手戸辺六段で戦型は二手目△3二飛戦法。先手も妥協せず飛車先を交換に行ったため、序盤から力戦形となった。その後、先手は中住まいに、後手は美濃にしっかり入り、後手の飛車交換が実現した為、後手十分の終盤戦に入った。今、△8六飛成と成り返り、△5六龍の一手詰めをみたところ。ここで指された先手片上六段の次の一手は? (答えはこの下に) |
(難易度・・・ |
(問308-2) 後手の攻め、先手の受けが続いており、下の局面でもまだ攻め続けるかと思えるところだが、ここで後手の戸辺六段は受けの手を指した。現在の局面では、すぐに後手玉が寄る訳ではないが、桂が入ると▲8三歩△同玉▲7五桂の筋はある(しかもその桂が3三に落ちている)。そこで、より安全にとここで指された後手戸辺六段の次の一手は? |
(難易度・・・ |
(これより下に解答)
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(問308-1解答)「玉の早逃げ八手の得」 相手の勢力圏の強い所で、その場所を維持しようとしてもうまく行かないことが多い。ここでも、5六の地点に利かすのではなく、そこから遠ざかることを考えるのが正しい受け。という訳で、▲4七玉と寄り、▲3八玉から2七への逃走場所を確保するのが正解。実戦は、▲4七玉の後、△7六銀▲同銀△同龍▲3八玉となり、悪いながらも、玉の安定を図り終盤戦へ望みをつないだ。 |
(問308-2解答)「金底の歩岩より固し」 ここで戸辺六段の指した一手は△5一歩。部分的には受けの最も基本的な手ではあるが、浮いている駒を受けたわけでも、厳しい攻めを受けた訳でもないので、ちょっと気付きにくい。しかし、実際に受けられてみると、後手の美濃は鉄壁、先手玉はあまり受けようのない形で後手がそのまま勝ちきるかに思われた。 ところが実戦は、先手も▲2七玉から入玉含みで粘りに出ると、なかなか寄せきることが出来ず、一時は逆転すら有り得そうな雰囲気に。しかし、最後△2四金とタダの所に控えて打った金、さらに△2五銀と捨てた手が巧妙で先手玉を必死にかけることに成功した。 |
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