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NHK杯に見る受けの手筋

(2012年1月30日出題)

第334問(2012年1月29日 深浦九段-菅井五段戦)
(問334-1)
先手深浦九段、後手菅井五段で戦型は(先手の注文もあり)後手の角交換向かい飛車。あまり定跡にない構想力の問われる駒組みから、先手は香得、後手は左桂をさばくという形でお互いが主張し合う難しい将棋になった。
そして下図。先手は角一枚の大きな駒得だが、後手陣は固く、成桂も脅威でこのままでは戦えない。そこで深浦九段の指した次の一手は?

(答えはこの下に)
(難易度・・・



(問334-2)
今、先手が▲4六角と攻防の一着を放ったところ。この手は▲7三歩成△同銀左▲7四桂からの詰めろになっていて、しかも先手玉はまだ詰まないので受けるしかない。ここで指された後手菅井五段の味良い三手一組の受けの手段は?

(難易度・・・



(これより下に解答)

(問334-1解答)「相手の攻めが細い時は、駒を取られないように受ける」
ここでの実戦は▲7七金。相手の攻めは△7七金と打つ他、平凡に△6六成桂と取られる手が厳しい。攻め合いなら駒を取られても攻め駒が離れていけばそれでも良いのだが、このように後手玉が固い場合は、取られてしまうと切らすこともできず、優劣がはっきりしてしまう。そこで▲7七金と打ち、△8九金▲同玉△7七成桂▲7八金と頑強に受けて辛抱した。

(問334-2解答)「攻防の角を移動後早逃げ」
△9二玉と角のラインからかわしておくのは、時々振り飛車に出る手筋の一つでもある。ただ、気を付けなければいけないのは、相手の持ち駒がもう一枚多いと、▲8二金と捨てられ呼び戻されてしまうこと。実戦は△9二玉が手筋で好手だが、その前に一本△5五歩と突きだした手がさらなる手筋で好手だった。
▲4六角は6八、7九に利いているので、この利きを消すと同時に、将来△5一歩の底歩も打てるようにして味の良い一手だった。

実戦はこの後も延々攻防が続いた。後手が少しずつ良さそうな所から、先手の深浦九段が容易に土俵を割らず、反撃。それを後手の菅井五段も丁寧に受けて、差を詰めさせなかった。最後は、148手、後手玉に詰めろがかからなくなった所で、先手玉に必死をかけた。

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