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NHK杯に見る受けの手筋

(2012年4月23日出題)

第345問(2012年4月22日 佐藤(紳)六段-豊島六段戦)
(問345-1)
先手佐藤六段の居飛車超速対後手豊島六段のゴキゲン中飛車。後手の機敏な仕掛けに難しい応酬が続いたが、先手が最後の歩を使って▲5六歩と受けてしまったのが疑問で(感想戦による)、後手がペースを握った。
そして下図、今△4四歩と打って先手の銀が部分的に死んだところ。何の代償もなくこの銀を取られてしまっては終わりだが、ここで先手佐藤六段の指した一手は?

(答えはこの下に)
(難易度・・・



(問345-2)
後手が桂得で馬まで作り優勢だが、先手にもと金が出来ており、あまりゆっくりしていると逆転する可能性もある。今、▲3七歩と重要な馬の進退を聞かれたところ。ここで指された後手豊島六段の次の三手は?

(難易度・・・


(これより下に解答)

(問345-1解答)「銀損をしない自陣角」
ここで▲2六角と打った手が銀を取られないなかなかの一手に見えた。△4五歩はもちろん▲5三角成だし、先に飛車をかわすのは▲4四銀で銀が生還する。
実戦は、この手に対し△3五歩と突き捨て、▲同角に△6四角と反撃。これが桂取りと同時に△4五歩を見せた返し技で後手有利のまま終盤戦へ入っていった。

(問345-2解答)「さらなる駒得を目指す読み」
▲3七歩に△4五馬、さらに▲4六歩に△3四馬と引いた手が▲4三銀成を許さず、さらに駒得を見せた好手順のかわし方だった。平凡に△3五馬▲同銀となっても後手の桂得ではあるが、先手にはと金が出来ているし、何より5一の飛車があまり働いていないのも痛く、桂得くらいでは良しとは言えない。

本譜はこの後▲3六歩に△2四馬から▲3四歩となり、結局後手は、飛桂と銀の交換という大きな駒得に成功。この後も、一発逆転を狙う先手の攻防手に冷静に対応、最後は中段まで追い出して受けなしに追い込んだ。
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