第418問(2013年10月6日 渡辺NHK杯選手権者-広瀬七段戦) |
(問418-1) 先手渡辺NHK杯選手権者、後手広瀬七段で戦型は角道を止める四間飛車から相穴熊へと進んだ。 仕掛けは、二人の以前の将棋でもあったような典型的な2〜5筋を突き合うこの形の定跡的なもの。しかし、しっかり後手に対応されると先手に自信の持てない局面となった。下図はその途中、今▲4二飛と馬取りと同時に▲6二角成からの二枚換えを見たところ。ここではどのように受けるのが良いか。後手広瀬七段の用意していた一手は? (答えはこの下に) |
(難易度・・・ |
(問418-2) 下の局面、駒割りはまったくの互角で駒の働きも大差ない。しかし持ち駒の歩が先手はゼロで後手は5枚。この持ち歩の差がそのまま形勢の差になっている。 今仕方なく▲2二歩成と歩を成ったところだが、ここで後手広瀬七段の指した一手は?△2九龍と桂を取る手も普通だが、その前に攻防に大きな利かしを打った、と言えばこれしかない。 |
(難易度・・・ |
(これより下に解答)
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(問418-1解答)「両取りを防ぐ飛車には飛車」 馬を取られてもいけないし、▲6二角成から二枚換えされてもいけない。となればここで指す手は△3二飛しかない。これで両方共受かっている。 この△3二飛に対し▲同飛成は△同馬でかえって飛車の打ち込み場所がなくなるので、実戦は▲4一飛成と成ったが、△5七歩成▲同角△3四飛と後手が好調のまま進んで行った。 |
(問418-2解答)「攻防の一段香」 龍筋をさえぎりつつ下段に歩や香を打つことは良くある。ここで広瀬七段が打ったように△5一香が角取りという先手を見ながら非常に味の良い一着となっている。後手の龍が動いてから打つと、▲3五角とこちらに出られてしまうこともあり、タイミングもピッタリで後手有利の局面は続いた。 本譜は、お互い桂香を拾いあった後の△8五桂から△2四馬が厳しかった。中盤の局面では、いずれ5筋に歩を垂らしてなどと思っていたが、実際は△7九馬から一気の寄り。後手玉が詰めろもかからない状態だった為、大駒を切って張り付くという相穴熊戦特有の寄せ方で先手玉を寄せ切ってしまった。 |
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