第419問(2013年10月13日 中田宏樹八段-橋本八段戦) |
(問419-1) 先手中田宏樹八段、後手橋本八段で戦型は後手の石田流。プロではほとんど見ない後手の石田流の出だしに、先手の中田八段は直接とがめにいかず、升田式石田流の形へと進んだ。中盤、後手が中央から動くと、先手も歩を突き捨て馬を作る展開に。下図はさらに進み終盤の入り口。今、馬を▲5三に作ったところだが、ここで後手橋本八段の指した一手は何か? (答えはこの下に) |
(難易度・・・ |
(問419-2) 上図から十数手後。△3一金と引いたのはなかなか渋い一着で、先手もどこから攻めるか難しい局面になっている。 ここで中田八段の指した次の三手は何か?三手目は受けの手であるが、その前に必要な利かしを入れた、と言うのが大きなヒント。 |
(難易度・・・ |
(これより下に解答)
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(問419-1解答)「張り付いている馬を消す」 飛車がタダなら逃げる手も考えるが、ここでは考えない。と言うのも、▲4四馬と飛車を取ってくれるのはむしろ有り難く、何もしないと▲6三歩や▲6二歩、あるいは▲5六桂など、この状態のまま攻められる可能性が高いからだ。そこで△5二歩と打ったのが実戦でこの一手。▲4四馬△同歩で大駒交換の後、後手になってしまうが、それもやむを得ない。しかし、先手も馬がいなくなると攻めるポイントも難しくなり、実戦は▲2四歩だったが、このような遠い所からであれば、後手を引いても△5二歩はしっかりした受けだったということになる。 |
(問419-2解答)「利かせてから受ける」 △6六の銀は、いつでも△7七銀成など攻め込まれる手を見ているので、出来れば追い払いたい。しかし、単に追い払うのでは、美濃囲いがしっかりしている。 そこで、▲6二歩と打ち、△同金に▲6七歩と打ったのが本譜。このように利かせてから受けるのが筋とも言える手順で、実戦でこのように指せれば有段者だろう。 本譜は、攻め合って最終盤一手争いになった。しかし最後に詰めろを見落とした後手が先手玉に詰めろをかけた瞬間、中田八段は華麗な寄せで後手玉を一気に詰めることに成功した。 |
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