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NHK杯に見る受けの手筋

(2014年3月10日出題)

第440問(2014年3月9日 大石六段-丸山九段戦)
(問440-1)
先手大石六段、後手丸山九段で出だしは一手損角換わりだった。しかし先手が趣向を見せ、向かい飛車にすると、後手の丸山九段も2筋に飛車を振り、戦型は力戦形の相振り飛車となった。そして模様の取り方の難しい中盤から、後手の丸山九段が単騎の角を打ち込み局面が動いた。
今△2五歩と歩を合わせたところ。後手は角を切っており、先手からすれば角金交換の駒得だが、この△2五歩が厳しく、一見先手敗勢に見える。しかしここで先手の大石六段は巧みな手順でこの攻めを凌いだ。ここから指された三手一組の手順とは?

(答えはこの下に)
(難易度・・・



(問440-2)
先手に歩があれば▲2六歩と打って十分だが、その歩がない為、ここでは後手に分のある将棋。しかし今▲6一角と打たれ、後手玉もかなり危険だ。ここで後手丸山九段の指した一手は?△2六歩や△3六金も非常に厳しい攻めだが、先手からの▲8四飛も厳しい。
(難易度・・・


(これより下に解答)

(問440-1解答)「飛車先を重くする手筋」
ここで大石六段の指した手は▲2五銀。△同桂と取らせて▲3六歩。このように銀損してまで桂を跳ねさせ飛車先を重くするという手筋は非常に珍しいが、桂を捨てて△同桂と取らせてその桂をすぐに取り返さないという筋はまれに出てくる。
但し、どのような場合であれ駒損には変わりないので、他に早い攻めがないとやはり不利には違いない。
本譜は▲3六歩△4六金に▲2五歩と桂を取ったが、△3五歩と攻められやはりちょっと苦しい展開になった。

(問440-2解答)「駒に当てながら玉の早逃げ」
▲8四飛と出られても現時点では詰まないが、状況が変わるととん死筋も残る。そこで実戦、△7一玉と早逃げした手が角に当たり味の良い手になっている。

本譜は▲6三桂成に△6一玉と角を取り、▲7二成桂△同玉と進んだが、依然先手に歩がなく▲2六歩と打てない。そこで仕方ない▲2六金打から玉頭を守ったが、結局駒を使いすぎ後手玉に迫る手がなくなってしまった。最後は、受けがなくなり、後手玉に詰めろをかけたが、丸山九段が先手玉をきれいに詰ませ決勝戦進出を果たした。
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