第469問(2014年10月5日 木村八段-森内竜王戦) |
(問469-1) 先手木村八段、後手森内竜王で戦型は角換わり腰掛け銀。仕掛けを伺うこの形特有の中盤から先手の木村八段が突っかけたが、後手の森内竜王が攻め合いを目指すとむしろ先手の受け、後手の攻めという棋風通りの展開に進んだ。 そして下図、今△6七銀打と角筋をいかして先手の玉頭に襲いかかったところ。ここで先手木村八段の指した一手は?玉の周辺ばかり見ているとなかなか気づきにくい攻防の一着だ。 (答えはこの下に) |
(難易度・・・ |
(問469-2) 先手玉、桂三枚では詰まないと読み、今▲4一銀と後手玉に詰めろをかけたところ。単に詰めろを消すだけならいろいろな手はあるが、終盤では一手の価値がとても大きい。ここでも単に受けるだけではない手を指したい。後手森内竜王の指した一手は何か? |
(難易度・・・ |
(これより下に解答)
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(問469-1解答)「元の大駒に狙いを付ける攻防手」 ここで木村八段の指した一手は▲3七角。玉の周辺しか見ていないと指せない手で、▲3四桂から▲5五角と局面によって、常に△5五角を抜く手を見ている。 自分の駒を捨てて抜く筋というのは将棋では良く出てくる。ただ、このような終盤になると同じような形はないので、多くの実戦と読みからそのような最善の手を探すことになる。 本譜はこの後、後手が猛攻をかけ、先手はさらに薄氷の受けを披露することになる。 |
(問469-2解答)「詰めろ逃れの詰めろ」 4筋に駒を打てば詰めろは簡単に受かる。しかし先手玉が詰めろでないと、常に詰めろを掛け続けられ最後には寄ってしまうことが多い。そこでその一手を逆転するのが「詰めろ逃れるの詰めろ」。ここでも△4五桂がそれだ。▲3二銀成からの詰みを消し、△7八金からの詰みを見た手。 本譜は、「詰めろ逃れの詰めろ」と言っても、本当に詰めろを逃れているのか際どかった。感想戦によれば、攻め方を変えれば後手玉に詰めろが続いたと言うこともあり、薄氷の受けが勝利を呼び込んだ可能性もあったが、この詰めろ逃れの詰めろで結局後手の森内竜王が勝利した。 |
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