第493問(2015年4月5日 藤井九段-高橋九段戦) |
(問493-1) 新年度が始まり、その開幕戦。先手藤井九段、後手高橋九段とベテラン同士の一戦は本家藤井システム対居飛車急戦の将棋となった。 良くある仕掛けに良くある反撃の戦いだったが、僅かな形の違いだけで結果が変わることも将棋では良くあること。下図、△6八とと入った手に▲1五歩と端に手を付けたのが機敏で、後手が少し困っている。ここで最善に受けるにはどうすれば良いか。簡単につぶされないように一旦先手の攻めを受け止めたい。ここで指された後手高橋九段の指した次の三手一組の手は? (答えはこの下に) |
(難易度・・・ |
(問493-2) 先手が快調に攻めて終盤戦に入った。今、△3六桂と後手から唯一の攻め筋と言っても良い王手をされたところ。勝ちは一通りではないが、紛れのないように指したい。ここで指された先手藤井九段の次の一手は? |
(難易度・・・ |
(これより下に解答)
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(問493-1解答)「辛抱の手順」 端攻めには可能なら△1五同歩と取りたいし、取れないようではすでに悪いことが多い。ここも取るのは、▲1二歩△同香▲1三歩△同香に▲1二飛と王手されると合駒が悪く必敗。と言って、このまま▲1四歩と取り込まれ、▲1三歩成とされてはもっとまずい。 そこで高橋九段の指した辛抱の手順が△6五歩とまず一歩を補充し、▲1四歩に△1二歩とあやまる手順。実戦的にかなり辛いがこれが一番耐久力があると判断した訳だ。 これに本譜は、渋く▲6九歩と打ち、後手の手に乗り攻め立て、先手優勢の終盤戦が続いた。 |
(問493-2解答)「取るのが明快」 桂の王手に対しては逃げても勝ちそうだ。しかし、▲5四の銀が質駒になっており、いつでも△5四銀▲同馬△4三金から馬を追い、その銀を攻めに使われることも考えておかねばならない。 そうしたことを考えると、(▲1八玉など)逃げるよりは、▲3六同金と取ってしまうのが分かりやすい。△3六同歩と迫ってきても、3七の地点は先手の駒の数がだいぶ多く安全だ。 本譜は取ったその桂を▲2五桂とためて、後は一気に後手玉を寄せ切ることに成功し、先手の藤井九段が開幕戦勝利を飾った。(この将棋の最終盤から「今日の実戦の詰み」を作りました) |
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