将棋タウン(ホーム)へ/受けの手筋表紙へ

NHK杯に見る受けの手筋

(2015年4月13日出題)

第494問(2015年4月12日 豊島七段-塚田九段戦)
(問494-1)
先手豊島七段、後手塚田九段で戦型は相矢倉。ガップリ四つに組み合った後、先手の豊島七段の研究手順とも思える飛車の軽やかな転進。対して後手の塚田九段は「攻め100%」で先手陣に襲いかかった。
下図はその中盤から終盤に入るところ。今打った△6九銀は矢倉にはよく出る手筋。ここで先手はどのように対処したら良いか。先手豊島七段の指した一手は?

(答えはこの下に)
(難易度・・・



(問494-2)
後手の猛攻が続いている。▲7七銀としっかり守った手に後手も△7五金と数には数の攻めを見せ、簡単には切れない。次に△8六歩からの総交換が見えており、すべてさばかれるのは先手としては避けたい。ここで先手の豊島七段の指した三手一組の手順とは?

(難易度・・・


(これより下に解答)

(問494-1解答)「一枚投入してしっかり受ける」
何もしなくても駒割りは金銀交換に過ぎないが、△7八銀成と取られた形が悪い。▲2五桂が落ちている為、常にこの桂を取られて攻められる手が残っているからだ。
そこで豊島七段の指した一手は▲6七銀と手持ちの銀を打って受ける手。ちょっともったいない意味はあるが、こう打っておけば△7八銀成に▲同金で陣形はしっかりする。

本譜は、△8五歩から△8二飛と第二弾の攻めの構築を急ぎ、先手は▲3九飛から▲3五歩を見せて次の第二問へと続いた。


(問494-2解答)「拠点を捨ててもしっかり受ける」
▲7三歩成△同桂▲7六歩と進んだのが本譜。▲7三歩成と歩を成り捨てるのはそうでなくても桂が跳ねたいところだけに指しづらいが、やはり△8六歩からのさばきは許せないと言うことなのだろう。図の▲7六歩に玉がいなければ、良くある棒銀の手筋で△8六歩が成立するが、この局面では金を引くしかない。先手は、拠点放棄の代償に、後手の攻めを一旦後退させ、▲3五歩からの攻めに手をかけることが出来た。

本譜はここからもまだ後手の攻め、先手の受けが続いたが、一瞬の隙を突いて先手が反撃に出ると、際どい詰めろの連続で手をつなぐと最後は長手数で後手玉を討ち取ることに成功した。
先週の問題へ/来週の問題へ

将棋タウン(ホーム)へ/受けの手筋表紙へ