第496問(2015年4月26日 阿部光瑠五段-佐藤秀司七段戦) |
(問496-1) 先手阿部五段、後手佐藤七段で戦型は相居飛車の力戦形。後手は雁木の形で待ち、先手が中央の歩をぶつけ、さらに角交換をして動いた。対して後手は中央を手厚くしその攻めを受けたが、角打ちから▲5二歩の叩きで馬を作ったのが下図。先手の駒得が約束されてはいるが一歩しかないこと、馬が遠いことなどからまだ難しい局面だ。ここで指された後手佐藤七段の次の一手は何か? (答えはこの下に) |
(難易度・・・ |
(問496-2) 先手の攻めが決まり、勝利目前の局面。後手から8筋を突き捨て、今△8八歩と手筋の歩を放たれたところ。手抜いて攻めても、あるいはどう応対しても先手優勢は動かない。しかし、持時間の短い将棋で確実に勝つにはどのような手が良いかということ。先手阿部五段の指した一手は? |
(難易度・・・ |
(これより下に解答)
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(問496-1解答)「駒損は最小に」 馬で桂香取られるのは、馬が遠くても痛い。そこで指されたのがじっと△4一飛と引いておく手。これなら香一枚しか取られず、また▲9一馬となった局面から馬を使うまでに何手もかかる。渋い一着で、形勢はまだまだこれからと思われた。 |
(問496-2解答)「手抜きのタイミング」 △8八歩は△8九歩成と取られても詰めろでも何でもない。しかし、駒を取られるとその駒を受けに使われたり、また玉の近くにと金が出来ると言うのは、何かのミスで相手に駒を渡した時の逆転の温床になる。 という訳で、実戦▲8八同玉と取った手が手堅い一着。終盤の手抜きのタイミングは棋風にもよるが、際どい一手勝ちは逆転することもあり、逆に何手差もあるのに受けるのは「友達をなくす」手にもなる。このタイミングも棋力の一つの目安とも言える。 本譜は△8五歩の継続手に今度こそ手抜きで▲3四飛。後はじり貧になるだけなので、その局面で後手の投了となった。 なお、その投了図から作成した「今日の実戦の詰み」もどうぞ。 |
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